緊迫感のあるニュース番組や情報ワイドショーほど、実はアンビリバボーな出来事が起こるものだ。ありえなかった場面がここに。
有吉弘行との結婚を機に、夏目三久は引退を決意。レギュラー番組「あさチャン!」(TBS系)の最後の出演となったのが、9月30日のこと。ところが、万感のフィナーレとはならなかった。
「盛り上げようと呼んだプロ応援団のパフォーマンスが、予定を大幅に超えて10分にも及びました。そのため、7年半も務めた番組の最後の挨拶が、途中で時間切れとなる異例の事態に」(放送作家)
同日の夜に生放送された有吉との縁結び番組「マツコ&有吉 怒り新党」(テレビ朝日系)の冒頭でも、さっそく「あれは放送事故!」とヤユされる始末だった。
一般紙の一面も飾ったのが、フジテレビ(当時)の菊間千乃アナの転落事故だ。98年9月2日、レギュラーだった「めざましテレビ」の体験コーナーで、マンション5階から避難器具を使うはずが、作動せずに落下。上半身の骨を13本折り、全治3カ月の重傷を負う。
10月5日の「徹子の部屋」(テレ朝系)で、当時の様子を生々しく語っていたが、
「あの痛さは何とも言えないですね。ギプス巻いても痛かったし、病院の中で紙1枚ベッドの上に置かれるだけでも痛いし」
リハビリを含めれば全治まで2年かかったが、精神的にも追い込まれた。
「テレビをつけると、自分が出ていたところに別のアナウンサーが出て、進行している。何のために仕事をしていたんだろうとか、ものすごく考えることが多くて、気持ちも落ち込んだ。フジテレビの方とかお見舞いに来てくださっても、お断りして。とても会える状況ではないっていうのが、しばらく続きました」
人生観も変わり、事故が起きた26歳で「死んだと思っているので」とフジを退社。一念発起し、難関の司法試験に挑戦。現在は弁護士として活躍している。
さて、地震大国ニッポンにおいて、速報することはテレビの重要な役目。10月7日には東京で震度5強の大きな揺れが観測されたが、TBSの「news23」で、さらなる異変が起きた。目撃した漫談家のユリオカ超特Q氏が語る。
「赤坂の様子を山本恵里伽アナがレポートしていたんです。その後ろを、奇声を発した男が何度となく横切って、地震どころじゃない別の怖さを感じました。画面は赤坂から新宿に切り替えられていました」
放送の数分後に28歳の誕生日を迎える山本アナにとって、何とも微妙なカウントダウンになってしまった。続いて、月イチの名物番組「朝まで生テレビ」(テレ朝系)では、司会の田原総一朗氏がやらかしている。20年1月31日の放送中に、関東地方で地震が発生。同局の渡辺宜嗣アナが冷静に状況を伝えていると、進行を中断された田原氏がしびれを切らす。
「まあいいや、次の地震の情報があったらやるとして」
これに渡辺アナが一喝したという。
「冷静に津波の有無などを説明していましたが、田原氏の中断指示に『田原さん、すいません、決まりがありまして』と制止していました。テレビ局の人間としては、当然の判断でしたね」(放送記者)
同じテレ朝では、10月19日の「ワイド!スクランブル」もかなりの「やらかし」だったようだ。さる女子アナウオッチャーが明かす。
「林美桜アナが複数のニュースを映像とともに読み上げるのに、途中から映像と音声がバラバラ。これに林アナが固まってしまい、無言になりました。メインの大下容子アナがフォローしたものの、再び林アナが無言になるという負の連鎖でした」
数秒の無音が“事故”と呼ばれる地上波の宿命であろう。