80年7月には、生放送のラジオ番組出演で三浦海岸へと向かうため、京急品川駅から乗った電車にカメラマンとして同行したが、
「車内で、いきなり一眼レフのシャッターが下りなくなるハプニングが起きたんです。しかし、電車を降りてから会場入りするまでの間に聖子さんから『暑いですね』と声をかけられると、途端にシャッターが元通りに。トラブルを知っててだったのか、聖子さんは霊に守られていると感じました」(YAHIMON氏)
そんな数々の霊視エピソードを持つ聖子は、今回のデビュー作品に気合い十分。1年以上かけて脚本を書くだけでなく、挿入する音楽まで自身で決めるこだわりぶりだった。
映画監督デビューの経緯については、冒頭の監督挨拶でこう話している。
「エリック・クー監督と18年公開『家族のレシピ』(エレファントハウス)でご一緒してから、それをきっかけに皆で一緒に食事をすることが多くなりました。ある日のディナーの時に、私は怖い話を持っているよとお話ししたら『その話はすごく面白いと思う』と言ってくれて、それから1年後くらいに『映画監督してみないか』とお誘いされたのがきっかけです」
自身の特殊能力のおかげで、ホラー作品を作ることになったというのである。そうした状況を呼び寄せる霊感があったのだろうし、先の予言までしていたとあれば、なおさらだ。ホラー作品だからこそ監督を引き受けたとも言える。
同作品の予告編を見ると、女子高生が公園でギターを弾きながら作曲している男と出会い、その男が憧れの歌手だと気づいたことから物語は展開していく。ラブストーリーにも思える内容だが、雰囲気にそぐわない不気味な音楽がジワジワと恐怖心を煽る。聖子の並々ならぬ霊的能力がそれを可能としたのか。
ただし、一部では有名だったという霊視能力について、聖子自身が公にすることはなかった。
「公言することを封印していましたからね。楽屋に人が集まってしまうということもあり、なるべくバラエティー番組など共演者が多い仕事も避けるようになった。近年では、聖子の霊視能力を改めて知った占いを扱う番組から、被験者としての出演オファーが来たようですが、そもそも占いをする有名人の霊視能力を疑問視し、聖子サイドは断ったとも」(バラエティー番組関係者)