B 新庄フィーバーのおかげで球団の汚点もキレイに浄化されたように見える。
A 8月に発生した中田翔(32)の暴力事件だな。会見すらすることなく巨人に放出して幕引きを図りヒンシュクを買ったが、なし崩し的に世間から忘れさせることに成功した。吉村浩前GM(57)は大喜びだったそう。ところが新監督就任前、一度はそれを蒸し返されそうになった。
D ドラフト前日の10月11日の話ですね。品川プリンスホテルで行われた最終編成会議後の会見の場でした。
A そう、ひと通り当たり障りのない質疑が終わるや、地元北海道メディアの記者が「ところで中田の件ですが、あれで終わりなんですか」と前GMに問いただした。
C それに逆ギレしたんだよね。シーズン途中の西武との2対2トレードを持ち出して「平沼(翔太ら)の時も会見しなきゃいけないんですか!」って激昂した。
E どうしてですかね。川村浩二球団社長(60)の名前で謝罪の文面を出していたんだから、当時の責任者だった前GMが説明すべきなのは当然でしょう。
C 押し問答になったことで動いたのが、部下に当たる広報担当だった。前GMを守るために「レコーダーを止めてくれ。この件に関しては一切記事にしないでくれ」とやったんだ。
D 結果、番記者たちの逆鱗に触れて、本社に告発されてしまいました。
C で、トカゲの尻尾切りで「チーム統括本部チーム管理部チーム管理グループディレクター」という、長ったらしいだけで何をするか見当もつかない部署に飛ばされちゃった。前GM自身は稲葉篤紀新GM(49)就任で統括本部長に戻っただけ。取締役は外されていない。
A しかも、オフにFA権を取得した西川遥輝(29)、大田泰示(31)、秋吉亮(32)の3人を「ノンテンダー」という言葉を使って自由契約にした。この発表を稲葉GMにやらせたんだから。
B テイのいい「戦力外通告」だよ。発表の前日まで、沖縄・国頭で秋季キャンプに帯同していた稲葉GMは「ノンテンダー」なんて言葉すら知らなかっただろう。
C 後ろ暗い仕事を押し付けた形だ。3人の下交渉から通達までの絵を描いたのは前GMだけだよ。中田騒動のイメージをそらす意味合いも強かった新庄監督の誕生だったけど、監督本人は呼んでくれた恩人だと思ってるから、会見でも名前を出して「ぶっとんだ僕を監督に指名してくれた。その考えはすごい」って持ち上げていた。裏の政治的な思惑までは知らないからね。
A:スポーツ紙デスク/B:球界関係者/C:ベテラン遊軍記者/D:パ・リーグ関係者/E:民放局ディレクター