ダイエー、ソフトバンクを2度の日本一に導いた王貞治監督にとって、栄華とは対極的に、たびたび忘れられないエピソードとして取り上げられる「生卵事件」。監督就任当初は「王フィーバー」に沸いたダイエーだが、1年目の1995年は5位、翌96年も出足は鈍く、近鉄バファローズ戦に敗れた試合後、選手が乗り込んだバスに向かって次々と生卵がぶつけられるという事件が勃発。この年も最下位に沈んだ。
このほど北海道日本ハムファイターズの監督に就任した新庄剛志氏の会見での発言から、その「生卵事件」がよみがえり、不安を口にする人がいた。主に西武ライオンズで活躍し、95年、96年はダイエーに籍を置いた石毛宏典氏である。元巨人の槙原寛己氏を自身のYouTubeチャンネル「石毛宏典TV」の12月21日付け投稿回に招いた際、その指摘は飛び出した。
石毛氏が懸念する新庄監督の発言とは、「優勝を目指さない」宣言。自身が「生卵事件」をナインの一人としてリアルに体験していることから、「プロ野球って結果が求められるじゃん?」「勝てなくても楽しければいいのか日本ハムのファンは?」と疑問を投げかけた石毛氏。これに槙原氏は、日本ハムファンは数年のスパンで新庄監督に託すのではないかと予想していた。
もっとも石毛氏は、大谷翔平がMLBに旅立ち伸び伸びと楽しそうにプレーしている姿を見せていることから、新庄監督の奇抜な言動が、長らく根付いていた日本プロ野球の堅苦しさを払拭してくれるのではないかとも発言している。
様々なOBの見解も興味深い、新庄監督の言動。少なくとも、日本ハムは話題に事欠かない1年になるに違いない。
(ユーチューブライター・所ひで)