●ゲスト:烏丸せつこ(からすま・せつこ) 1955年、滋賀県生まれ。1979年、第6代クラリオンガールに選出され、芸能界デビュー。80年「四季・奈津子」、81年「マノン」と立て続けに映画主演。同年、「駅 STATION」で日本アカデミー賞助演女優賞を受賞。2019年には「スカーレット」でNHK連続テレビ小説に初出演するなど、多くの映画・ドラマに出演。1月15日より主演映画「なん・なんだ」が新宿・K’s cinemaほか全国で順次公開。2月4日より出演映画「夕方のおともだち」がTOHOシネマズ六本木ほかで全国順次公開。
1979年に第6代クラリオンガールとして鮮烈デビュー。2019年(~20年)のNHK朝ドラ「スカーレット」での演技も記憶に新しい烏丸せつこが34年ぶりに映画主演。その喜びを聞き出そうと意気込む天才テリーだが、なぜか出るのはボヤキばかり。最後には女優引退宣言も飛び出した!?
テリー 今度公開される「なん・なんだ」が34年ぶりの主演なんだってね。また、おもしろい映画に出ましたね。
烏丸 見た?
テリー もちろん。
烏丸 どう思った? 忌憚のない意見を聞かせて。
テリー いろいろ考えさせられましたよ。
烏丸 ああ。まぁ、そういうことですよね。
テリー 烏丸さんはどう思ったの?
烏丸 下元(史朗)さんがやった男が情けないよね。
テリー 烏丸さんが演じた美智子の旦那の三郎ね。
烏丸 そう。美智子の浮気を知って、ジタバタするでしょう。人のことを頻繁に殴るしさ。美智子も娘も殴られたし。変な男。
テリー 美智子の浮気を知ったあとに、その浮気相手の男を探し出して、わざわざ会いに行くんだよね。それで腹立てて殴ったりする。
烏丸 バカだよね。
テリー 俺も映画見て、同じ立場だったらどうするかって考えたんだけど、かみさんに浮気されても「仕方ないか」って思っちゃう。自分がちゃんとしてないからさ。
烏丸 エラい。そういう男はあんまりいないよ。三郎もちゃんとしてないんだけど、それを棚に上げてジタバタするのよ。だから下元さんスゴいなと。あんな情けない男をよく演じたなと思って。
テリー 自分が演じた美智子はどう?
烏丸 あれも変な女だよね。身勝手でさ。
テリー アハハハ。
烏丸 だって旦那にバレないように30年も浮気してるんだよ。しかも、浮気のきっかけが「こっちから誘ったのに応えてくれなかった」っていう。
テリー 美智子のほうからエッチを誘ったのに旦那に断られるんだよね。
烏丸 それをずっと執念深く根に持ってる。「死のうと思った」とか言って。それで高校時代の初恋だった男と浮気することになるんだけど、最初にホン(脚本)を読んだ時も「どんな女?」と思って。それで、なかなかおもしろいかもと思って(出演依頼を)受けたんだけど。
テリー また娘も一緒になって浮気相手の男に会いに行くんだよね。
烏丸 で、その娘も浮気してるんだよ。なんなの、この映画(笑)。
テリー アハハ。だから「なん・なんだ」ってタイトルじゃないの?
烏丸 あ、そういうことか(笑)。
テリー じゃあ、この映画、オススメ度としては何点ですか。普通こういう時は、みんな100点って言うんだけど。
烏丸 ないわ。100点なんか絶対ないし、勧めていいのかもわかんない。
テリー アハハハ、最高だな(笑)。
烏丸 違う違う。テリーさんが言うように「なんか考えるよね」っていう意味ではいいかもしれないけど、「感動する」とか「刺さる」とかいう映画じゃないから。見て、男の人は男の人なりに「はあ?」「なん・なんだ」と思ってくれればいいんじゃないですか、っていう。