スポーツ

武豊 乗ってよし、買ってなおよし!「伝説の天才馬券術」があった!(3)

20140213b

 ギャンブラーとしても慧眼を見せつけた武の馬券術。その強さの秘密は何なのか。競馬ライターの平松さとし氏が解説する。

「武騎手にインタビューすると、レースで乗った馬の特徴だけではなく、どのように騎乗依頼されて、レースの直前にはどんな出来事があったかなど、実に事細かに記憶していることに驚かされます。しかも、自分が騎乗した馬だけでなく、他の馬の癖にも気づくのは、名伯楽・藤沢和雄調教師とも共通しています。とにかくふだんからレースをよく見ており、その記憶の積み重ねの結果なのだと思います」

 ギャンブルの格言に「競馬は記憶のゲーム」というのがあるが、騎手としてだけでなく、勝負の展開を予想するうえで、過去のデータがモノを言うのは言うまでもない。そうしたデータの裏付けをもとに、武は予想においても独特の嗅覚を発揮するのだ。

「騎手はレース名を聞けばコース、距離、過去のレース展開が思い浮かぶといいます。武豊の場合には過去のデータは全て頭の中にインプットされており、みずからの記憶だけでシミュレーションを行うことができると言われています」(トラックマン)

 では、武の予想に戻ろう。続く3レース目の予想こそ惜しくも外したが、ここからが勝負師の真骨頂。

「ダンツビューティの子供、5走で3回出遅れてる。出遅れてまくって勝つというのが今日のパターンかな」

 とレース展開を予想すると、再び1着固定の3連単で馬券を購入。しかも2着、3着を3頭までしぼり込み、勝負馬券は実に6通り×5000円の3万円ナリ。さらに軸馬が2着以下に沈んだ場合の保険として4頭ボックスの3連単(24通り)、さらには気になる穴馬を1頭入れ替えた別の4頭ボックスを購入し万全の態勢だ。

「けっこう買うな。たぶん当たるから大丈夫だけど」

 と余裕の表情の武。するとレースは予想どおり向こう正面からまくる展開に。そこから指名した馬が前4頭までを独占してゴールという完全勝利だった。

「よし、そのまま、4連単獲った!」

 結果は堅めながらも、なんと馬券は3枚とも大当たりとなるトリプル的中。もう勝負師の勢いは止められない。そして、番組はいよいよ最終レースへ。

「おっ、モータウンサウンドはデビュー戦で乗った。京都の芝2000メートルかな。でも軸にできる馬がいない。9番かな~」

 結局は1番人気の1着に固定し、相手4頭の3連単(12通り)。そして相手はそのままで軸を2着に固定した3連単の2枚の馬券をオーダー。しかし、時間をかけマークカードに記入したのが裏目となり、窓口締め切りで購入できず。

「それでも予想はみごと的中。しかも3着馬が同着だったこともあり、3連単が2本も当たっていた」(嘉門氏)

 もはや神業。結局この日は5戦で3度の3連単的中。払い戻し額は57万超、総収支ではプラス34万円、なんと約250%の回収率を記録したのだった。

「武騎手はふだんから『馬を見てもよくわからない』と言ってますが、何千頭も、騎乗した経験から気づく特徴などはあるのでしょう。それでも、テレビ番組で実際に勝つのはまた別次元の話ですよ。やはり“持っている”としか言いようがない」(前出・平松氏)

 乗ってよし、買ってなおよし──。唯一無二の天才ジョッキーは馬券術も超一流だったのである。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    なぜここまで差がついた!? V6・井ノ原快彦がTOKIO・国分太一に下剋上!

    33788

    昨年末のスポーツニュース番組「すぽると!」(フジテレビ系)降板に続いて、朝の情報番組「いっぷく!」(TBS系)も打ち切り決定となったTOKIOの国分太一。今月30日からは同枠で「白熱ライブ ビビット」の総合司会を務めることになり、心機一転再…

    カテゴリー: 芸能|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<寒暖差アレルギー>花粉症との違いは?自律神経の乱れが原因

    332686

    風邪でもないのに、くしゃみ、鼻水が出る‥‥それは花粉症ではなく「寒暖差アレルギー」かもしれない。これは約7度以上の気温差が刺激となって引き起こされるアレルギー症状。「アレルギー」の名は付くが、花粉やハウスダスト、食品など特定のアレルゲンが引…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<花粉症>効果が出るのは1~2週間後 早めにステロイド点鼻薬を!

    332096

    花粉の季節が近づいてきた。今年のスギ・ヒノキ花粉の飛散量は全国的に要注意レベルとなることが予測されている。「花粉症」は、花粉の飛散が本格的に始まる前に対策を打ち、症状の緩和に努めることがポイントだ。というのも、薬の効果が出始めるまでには一定…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
上原浩治の言う通りだった!「佐々木朗希メジャーではダメ」な大荒れ投球と降板後の態度
2
フジテレビ第三者委員会の「ヒアリングを拒否」した「中居正広と懇意のタレントU氏」の素性
3
3連覇どころかまさかのJ2転落が!ヴィッセル神戸の「目玉補強失敗」悲しい舞台裏
4
ミャンマー震源から1000キロのバンコクで「高層ビル倒壊」どのタワマンが崩れるかは運次第という「長周期地震動」
5
巨人「甲斐拓也にあって大城卓三にないもの」高木豊がズバリ指摘した「投手へのリアクション」