スポーツ

「なぜかブーム」武豊は本当に復活したのか?

 競馬界はなぜか「武豊」ブームだ。往年のファンからすれば、デビュー直後からの挫折知らずの快進撃、あの憎たらしいほど勝ちまくる姿をリアルタイムで見続けてきたわけで、今さら武がここまでクローズアップされるのは少し不思議な気持ちになるのではないか。

 理由はもちろんわかっている。ディープインパクトであらゆるタイトルを総なめにした全盛期から一転、ケガに端を発したこの数年の成績の落ち込みと、それによる大御所馬主サイドの冷遇問題は「あの完全無欠な存在が‥‥」とファンに想像以上のショックを与えたことだろう。

「そんな武の前にディープインパクトの孝行息子、その名も『キズナ』という絵に描いたようなドラマチックすぎる救世主が現れ、まるで映画のシナリオのようなレースとなった昨年の日本ダービー制覇は、武豊を再び表舞台に引き上げるには十分なインパクトだった」(競馬ライター)

 そのキズナの余韻とともに、昨年は久々に100勝にあと一歩の97勝まで勝ち鞍を伸ばし、重賞勝利数は1位と気を吐いた。確かに「復活」だったかもしれない。そのタケノミクスにあやかろうと、今年に入ると、競馬雑誌やテレビ中継でもこぞって武豊にスポットを当て、解説者やタレントたちも褒めちぎれるだけ褒めちぎるという光景が続いている。

「この状況は正直ちょっとむず痒いですね。毎週馬券を熱心に買っている武ファンに『完全復活したのか?』と聞いても、おそらくほとんどのファンが答えに詰まると思いますよ」(競馬関係者)

A.13レース中2勝

B.13レース中5連対

C.34レース中4勝

D.34レース中12連対

 AとBは今年に入ってからの1番人気馬での成績、CとDは3番人気以内の馬での成績だ。これを見れば一目瞭然、「現在の武豊は人気馬では買えない騎手」なのだ。

「実は『復活イヤー』と位置づけられた昨年も、好走する馬は『逃げるか、追い込むか』という極端な戦法が目立った。つまり、堂々たる力勝負では勝ちきれないレースが多いということ。これがケガの影響なのか、年齢的な衰えなのか、馬のレベルなのかはわからないが、この事実にスポットを当てるメディアが皆無だったことも不思議ではありません。おそらく、こんなデータは一連の感動ドラマには“お呼びじゃない”ですからね」(前出・競馬ライター)

 しかし、毎週身銭を切って馬券を買っている人間に言わせれば、「完全復活? ちゃんゃらオカシイぜ!」というのが実情だろう。人気馬に乗ったらもう逆らえない、好位につけたら間違いなく勝ち負け、そんな光景をイヤというほど見てきた世代にとっては、「武豊が復活したら、こんなもんじゃないよ」というエールに似た気持ちが渦巻いているのである。

 きっと、それを一番わかっているのは「武豊」本人なのではなかろうか。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    なぜここまで差がついた!? V6・井ノ原快彦がTOKIO・国分太一に下剋上!

    33788

    昨年末のスポーツニュース番組「すぽると!」(フジテレビ系)降板に続いて、朝の情報番組「いっぷく!」(TBS系)も打ち切り決定となったTOKIOの国分太一。今月30日からは同枠で「白熱ライブ ビビット」の総合司会を務めることになり、心機一転再…

    カテゴリー: 芸能|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<寒暖差アレルギー>花粉症との違いは?自律神経の乱れが原因

    332686

    風邪でもないのに、くしゃみ、鼻水が出る‥‥それは花粉症ではなく「寒暖差アレルギー」かもしれない。これは約7度以上の気温差が刺激となって引き起こされるアレルギー症状。「アレルギー」の名は付くが、花粉やハウスダスト、食品など特定のアレルゲンが引…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<花粉症>効果が出るのは1~2週間後 早めにステロイド点鼻薬を!

    332096

    花粉の季節が近づいてきた。今年のスギ・ヒノキ花粉の飛散量は全国的に要注意レベルとなることが予測されている。「花粉症」は、花粉の飛散が本格的に始まる前に対策を打ち、症状の緩和に努めることがポイントだ。というのも、薬の効果が出始めるまでには一定…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
上原浩治の言う通りだった!「佐々木朗希メジャーではダメ」な大荒れ投球と降板後の態度
2
巨人・坂本勇人「2億4000万円申告漏れ」発覚で「もう代役・中山礼都の成長に期待するしかない」
3
フジテレビ第三者委員会の「ヒアリングを拒否」した「中居正広と懇意のタレントU氏」の素性
4
巨人「甲斐拓也にあって大城卓三にないもの」高木豊がズバリ指摘した「投手へのリアクション」
5
3連覇どころかまさかのJ2転落が!ヴィッセル神戸の「目玉補強失敗」悲しい舞台裏