12年12月に約7500万円の申告漏れが発覚して芸能活動を休止していた、板東英二(73)がついに復帰する。ところが、早くもあの「植毛を経費計上」という釈明以上に笑えぬ前途が待ち構えているのである。
苦境に立った板東は、1月16日付で吉本興業に所属することになった。
「板東といえば、プロ野球の現役時代から副業に精を出して、今ではテレビに出なくても生活に困らないと言われるほどの資産を持っているとささやかれています。それなのに、これまで馬車馬のように稼いできた習性なのか、稼げるうちに金が減ることに耐えられないというんです。そこで親交のあった、明石家さんま(58)や、すでに引退した島田紳助(57)に相談し、吉本に受け入れてもらったといいます」(スポーツ紙芸能デスク)
すでに、関西ローカルの番組出演に向けて調整は進んでいるという話だ。
昨年3月以降、全てのレギュラー番組を降板し、活動休止していた板東は、11月に開いた謝罪会見で、申告漏れの理由に関して、「カツラが経費で落ちるから、植毛も落とせると思ったらダメだった」などと釈明し、失笑を買ったものである。
芸能評論家の三杉武氏は言う。
「釈明会見を笑いに変えようという方法論を取ったのでしょうが、それならば司会者を置いて、あくまで本人は神妙に、笑いを取りにいくのは司会者に任せるべきだった。とはいえ今後は吉本所属で、そうしたフォローも万全になるのではないでしょうか」
ところが、コトはそう簡単に運ばないようだ。
「吉本入りしたことで、芸能界から干されるということは避けられましたが、関西の番組には出られても、今後の板東が関東の番組に出演できる可能性は絶望的だと言われています」
こう語るのは在京キー局のテレビ関係者だが、大きな脱税事件を起こしただけに、スポンサーの反応を気にする面でもあるのかと思えば、板東の場合はもっと根深い問題を抱えていると、声を潜めるのだ。
「板東さんはもともと名古屋の個人事務所所属ですが、後ろ盾になっていたのは、業務提携していた東京の大手芸能プロダクションでした。俳優やゴールデンの番組での司会などでも活躍しましたがブッキングは同社で、東京での仕事には同社の現場マネジャーもついていました。そんな良好な関係でバックアップしていただけに、申告漏れが発覚した際、板東さんを面倒見てきた同社の社長は大激怒したんです。即座に業務提携を解消し、さすがに謝罪会見は仕切ったようですが、それを最後に完全に見捨てました」
会見で板東が涙を見せたのには、こうした背景もあったようである。髪の毛は植えればゴマかせるが、芸能界に影響力を持った後ろ盾を失ってしまえば、もはやゴマカシは利かないだろう。
「グループ会社で映画の制作、配給も行う同社は映画へ出資をしています。さらにはテレビドラマに関してもブッキング権を持っていますから、テレビ局への発言権は絶大ですよ」(芸能記者)
そんな大物恩人から板東は、すでに「絶縁通告」を突きつけられているという。
「激怒した社長は民放各局のプロデューサーらに『もう、あんな奴使うな!』と電話を入れて回ったそうです。今後、東京ではイベント等の出演には問題がなくても、吉本絡みでなければテレビ出演はかなり制限されると思いますよ」(前出・テレビ関係者)
税金逃れをしてまで金儲けをしようとしたツケは、想像以上に高かったようだ。
「板東さんは、共演して自分を慕うようになった同社の所属タレントにも投資話などを持ちかけていた。それで損失を出させるようなケースもあったそうで、それは社長の耳にも入っていました。それでも、板東さんがタレントとして稼いでくるから目をつぶってきたんです。あれだけの裏切りをされ、タレントとしても価値が下落したら、積もったものは爆発するでしょう」(芸能プロ関係者)
このまま板東は、「関東復帰」を果たせないまま活動を続けるのだろうか。
前出・三杉氏はこう語る。
「今は“炎上社会”となってしまい、みのもんたしかり、矢口真里しかり、1度バッシングが始まると世間の目はずっと厳しいですからね。それでも板東は、吉本入りしたことで少なくとも関西には強い地盤ができた。再起するには、会見のような中途半端な形ではなく、事件を思いっ切りギャグにしていくのがいいんじゃないですか」
また稼げるといいが、少なくとも今の板東の頭には、脱税しようという気など“毛頭”ないはずである。