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ウクライナ問題が長引くと、世界はもちろん、日本も困ったことになるのでしょうか。物価上昇のことだけではありません。日本は小さな島国だし、それこそ戦争を仕掛けられたら沈没です。この時代にきて侵略戦争が勃発する可能性があることを知り、怖くなりました。みんなは怖くないのでしょうか。
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まさに日米安全保障条約の第3条項(米国の対日防衛義務に対応して、我が国も憲法の範囲内で自らの防衛能力の整備に努める、などとする原則)に関わってきますね。岸田総理が総裁選挙の際の演説で、第3条の見直しをすると発言しました。それがいつ行われるのか。参院選挙後あたりではないかと睨んではいますが、本格的に議論すべきだと、僕も思います。
ウクライナのニュースを見るたびに、なぜ他国はもっと助けないんだろうと気がかりです。日本も他人事ではありません。いよいよ中国の日本侵攻や北朝鮮の弾道ミサイル投下が現実味を帯びてきました。日米同盟があるから大丈夫とばかりにあぐらをかいているけれど、丸腰というわけにはいきません。いつ隣国が襲ってくるかわからない世の中になりましたし、アメリカだって実際、そうなったら助けてくれない可能性はゼロではないでしょう。
一方で、他国の戦争に関わると日本も巻き込まれるから様子見した方がいい、という意見をSNSで見ました。いじめられている子を助けたら自分がいじめられちゃうから見て見ぬフリをする、というそんなマインド、僕は大嫌いです。みんなで助けましょうよ。
その昔、13世紀後半の鎌倉時代中期。元が襲ってきた文永の役と弘安の役という戦争が起こりましたが、北条時宗が二度ともしっかりしていた。これはモンゴル帝国による日本侵略のことですが、フビライ・ハーンが日本との国交を求めてきたにもかかわらず、えいやと戦ってしまい、だいぶ傷を負いました。しかし神風が吹いたということで、思いがけず大国に勝ってしまった日本。あれが正解かどうかはわかりませんが、あそこで負けていたら今の日本はありませんよね。歴史が好きなので奇跡の乱を例に出してしまいましたが、神風なんていつ吹くかわかりませんから。
日本の核保有を推奨しているわけではありませんが、こうした議論を本格的にする時代が到来しました。侵略戦争は絶対にノー。僕が国会議員時代、いろんな議員と戦争討論をしましたが、全員「ノー・モア・ウォー」です。酔っ払った丸山穂高が「北方領土を返してもらうには、ロシアに戦争を仕掛けるしかない」と極論を口走ったことがありますが、実際問題それしかないという、あくまでもサンプル。さすがに今回はロシアがウクライナに核を使用することはないでしょうし、あったらロシアは一巻の終わりです。
何度も言いますが、核は絶対に反対です。が、ここで日本も自国の未来を討論してほしいのです。軍備はいらない、平和を信じて死んでいく。そんな覚悟は美しいですけど、僕はよくわからない奴に殺されたくないかも。なので、護身術を学んでいます。暴漢は絶対に現れないから護身術なんて習う必要はない、とは思っていませんので。
宮崎謙介(みやざき・けんすけ)◆1981年生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、日本生命などを経て12年に衆院議員に(京都3区)。16年に議員辞職後は、経営コンサルタント、テレビコメンテイターなどで活動。近著に「国会議員を経験して学んだ実生活に即活かせる政治利用の件。」(徳間書店)。