1987年、広島東洋カープに、日本プロ野球2リーグ制後、唯一にして、2つの実に興味深い記録が刻まれているのをご存知だろうか。
それを明かしたのは、西武、中日、福岡ダイエーホークス(現、福岡ソフトバンクホークス)の3球団を渡り歩いた元プロ野球選手の杉本正氏だ。主に広島で活躍した高橋慶彦氏のYouTubeチャンネル〈よしひこチャンネル〉の、2月5日付け投稿回に出演してのこと。
「ランスっていたじゃないですか?(ボク)よくホームラン打たれたんですけど、あれ最低打率のホームランキング…」
そう杉本氏が語ったのは、87年と88年に広島に籍を置いた、リック・ランセロッティ氏のこと。ランセロッティ氏は87年に39本でホームラン王に輝いたのだが、打率「.218」と、歴代最低打率のホームラン王なのだ。
また、広島一筋の正田耕三氏の名前も挙げ、「彼がプロ入り初ホームランを打ったのはボクからなんですよ」とも振り返った杉本氏。
86年はこの1ホームランに終わった正田氏は、翌87年、「ホームラン0」にも関わらず、打率「.333」で首位打者を獲っていることから、「おもしろいでしょ?最高打率の選手が(ホームラン)0で、最低打率の選手がホームラン王なんですよ…」と、
広島出身の高橋氏に言っておかなければと、杉本氏のとっておきの話が披露されたのだった。
ホームラン0の首位打者は、1リーグ時代に2人存在したが、2リーグ制後は初のこと。87年、興味深い記録を作った打者部門のタイトルホルダーが2人も生まれながら3位に終わり、86年は打者部門のタイトルホルダーが誕生しなかったにもかかわらずリーグ優勝の広島…これもまた興味深い話である。
(ユーチューブライター・所ひで)