ドラフト8位ルーキーの開幕投手抜擢から開幕直前の「BIGBOSS」への登録名変更。昨秋から球界の話題を独占してきた日本ハムの新庄剛志監督(50)の奇策満載の開幕ゲームだった。在京球団スコアラーが解説する。
「まず、クローザー候補だった北山亘基(22)をオープナー(リリーフが先発する)に起用したのは度肝を抜かれました。かねてから新庄監督は『ホークスとの開幕カードは1勝すれば儲けもの』と語っていましたが、ホークスのエース・千賀滉大(29)を相手に小刻みな継投策で立ち向かうとは想定外でした。新庄効果で日の目を見た1.5軍クラスの若手はノリノリで勢い十分。今年の日ハムは数字では測れない不気味さがあります」
巨大戦力に総力戦で臨んだ初陣は1─4で完敗。そのまま開幕から3連敗の拍子抜けの結果になったが、奇想天外な采配に他球団は警戒心を高めるばかり。しかも新庄監督に振り回されるのは、敵陣営にかぎった話ではない。球団関係者が次のように嘆く。
「昨年11月の監督就任記者会見で、契約年数は1年と断言していた。それなのに突然、来季の続投を宣言するなんて…」
まさかの放言が飛び出したのは、開幕からさかのぼること4日前。東京・国立代々木競技場第一体育館で開催された「東京ガールズコレクション」に、黒と青のド派手衣装で登場した新庄監督の口から「開幕してから2年間でプロ野球の歴史を変えます!」という威勢のいい“2年で辞めます宣言”が飛び出したのだ。
「この日は一軍本体が札幌ドームで全体練習をしていましたが、開幕前の大事な時期に監督がチームに帯同しないのは前代未聞です」(スポーツ紙デスク)
まさに球団も制御不能な“新庄劇場”が開幕した。その裏には悩ましい球団と新庄監督の関係性が見え隠れしていた。一方で、キャンプ前日に今季かぎりの退任を発表した矢野燿大監督(53)の去就に早くも異常事態が発生していた。3月29日発売の「週刊アサヒ芸能」4月7日号では、シーズン前に自らの進退を明言した指揮官たちの“退任劇”を詳報。2人の「辞める辞める戦法」の最前線に迫った。