一方、本拠地移転前の最終年を迎えた札幌ドームは、思いがけない“新庄特需”に沸いていた。
「大口のシーズンシートの売れ行きが好調です。新本拠地チケットの優先販売権と抱き合わせにしたのが功を奏しました。フェンスやバックネット近辺の企業広告は移転に伴い減少しましたが、IT企業を中心に広告案件の引き合いが増えている。テレビによく映るバックネットで年間2000~3000万円、ヒーローインタビューで出てくる屏風だけでも数百万円は見込めます。新ユニフォームを含む物販の売上増を含めて十数億円の増益は堅い」(スポーツ紙デスク)
それに伴い、数年間にわたる球団と札幌ドームの冬の時代にも春が訪れていた。
「収益増の観測で気をよくしたのか、球団に対してやたら友好的な態度を取るようになったんです。何度要求しても改善されなかった人工芝の整備にも着手してくれました。今さら感はありますが‥‥」(球団関係者)
もちろん、23年に移転する「エスコンフィールドHOKKAIDO」周辺の盛況ぶりは言うまでもない。
「新球場がある北広島市の地価が爆上がりしているんです。3月22日に国土交通省が公開した土地取引の公示価格は、最大で住宅地が26%、商業地は前年比で19.6%もアップ。新球場を含めた周辺エリアの『北海道ボールパークFビレッジ』のみならず、ホテルや商業施設の建設計画が全国1位の伸び率を示す要因になっています。BIGBOSS特需で、さらなる地価の上昇が見込めるだけに、慌てて海外資本の不動産業者が土地を買い集めているようです」(スポーツ紙デスク)
地元経済までも大きく左右する新庄監督の去就問題だが、万が一にも下馬評を覆す大躍進を遂げたら‥‥実は球団はこのサプライズシナリオを最も恐れているという。
「今の戦力では、CSに出るだけでも優勝に等しい価値がある。その勢いのまま、前言を撤回して長期間にわたってチームに居座られるのが怖いんです。球団に進退を決める権限がないにしろ、あくまで新庄監督は時限的な措置ととらえている。つまり、遅かれ早かれ稲葉篤紀GM(49)に禅譲する既定路線に変わりはない。現在、編成の立場でチームを俯瞰しながら、若手の打撃指導をしているのも、次期監督を見据えてのものですから」(球団関係者)
辞める辞めると言いながら、ズルズルと3年目、4年目という展開になれば、
「推定1億円から大幅に増額した年俸を求められるのは確実です。当然、バックに控える芸能事務所の影響力も大きくなる。企業広告の獲得や球団PRへの功績は無視できませんからね。その影響力が球団経営にまで飛び火しかねない。本音では、有言実行のまま早期退任してもらうことを祈るのみです」(球団関係者)
まさに人気と実力は表裏一体。何事にもリスクはつきもののようだ。