福岡ソフトバンクホークスの元監督で現役時代には、西武ライオンズ、福岡ダイエーホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)、読売ジャイアンツ、横浜ベイスターズと、セ・パ4球団を経験した、工藤公康氏。最優秀防御率4回、最多奪三振2回、最高勝率4回と、数多くのタイトルを獲得。プロ通算224勝で名球会入りを果たしている。
その工藤氏が、元巨人・上原浩治氏のYouTubeチャンネル〈上原浩治の雑談魂〉に出演。盗塁王13回、最多安打4回の福本豊氏、1984年に外国人選手で史上初となる三冠王に輝いた、ブーマー・ウェルズ氏など、現役時代に苦手だったバッターを挙げていったところ、工藤氏にとって、日米通算4367安打を放ったイチロー氏以上のツワモノの存在を明かしている(3月22日付け投稿回)。
それは、3度の三冠王に輝いた、落合博満氏だった。落合氏が打席に立った場面で、投げたボールをキャッチャーが捕ろうとした瞬間に、
「パンって消えるんですよ、音とともに。パって(振り返って)見ると、レフトスタンドの中段に入ってる…」
他のバッターにはなかった感覚で、それだけスイングスピードが速かったのだと回顧した工藤氏。どこに投げてもホームランを打たれた記憶から、「どこに投げれば抑えられるのか?」と訊ねたところ、落合氏は「真ん中投げてこい」。「それだけはできないです」と工藤氏は返したのだと、スタジオを笑いに誘ったのだった。
実は落合氏は、きわどいコースを打つ練習はしても、元広島、巨人で活躍した左腕、川口和久氏のように真ん中目にボールが入るピッチャーを落合氏は苦手にしていたとも言われている。もしかしたら、落合氏は真実を口にしており、それでも言った通りにはしないだろうとの工藤氏の負けん気を読んでの心理戦だったのだろうか…?
(ユーチューブライター・所ひで)