新型コロナウイルスは、社会を大きく変貌させてしまった。営業、経営が立ち行かなくなった商売、企業、店は山のようにある。カラオケボックスは、崖っぷちに立たされている業種のひとつだ。
マイクを持って大きな声で歌う行為そのものが飛沫感染の元であるとの認識から、コロナ社会でカラオケが衰退するのは自明の理だった。
そんな中、実に意外なやり方で生き残りを図ろうとするカラオケボックスが出てきているという。
「大手チェーンを始め、色々なカラオケボックスがありますが、今や3割程度しか稼働していないところなどいくらでもあります。とにかくお客さんが来ない。いったん離れてしまうと、カラオケは必要とされなくなりつつある感じです。そこで、なんとかして空き部屋を活用できないかと知恵を絞るところが出てきているのです」
こう話すカラオケ業界関係者は、驚きのプランを口にした。
「例えば、占い師が何十人も在籍している占い業者と組んで、空いたカラオケ部屋に占い師を派遣させる。スマホやパソコンなどで占いの予約を募り、客が来店した上で鑑定する。もちろん、感染対策を施した環境、条件での鑑定が行われます。鑑定で発生した利益は、両者で分配。具体的に動き出している業者がいるとも聞きました。鑑定を受けながら、コーヒーやソフトドリンクでも注文してくれたらなおいい」
実現すれば、なんともユニークな試みである。事実、占い業界は盛況で、占い利用人口は増えているのだというから、まさに時世を反映させたプランなのだ。
「あるいは、格安のカプセルホテルとして利用できないか、という案も上がっているようです」(前出・カラオケ業界関係者)
カラオケボックスのビルの中に複数の異業種が混在する。実に不思議な空間になることだろう。