4月17日の日本ハム戦では、2回目のパーフェクト達成とはならなかったが、前回の完全試合から続く17イニング連続無安打。ロッテ・佐々木朗希の完全試合と、13者連続三振を含む1試合19奪三振を成し遂げた4月10日のオリックス戦を振り返れば、高卒3年目とは思えない異次元の投球であることは明らか。様々な球団で投手王国を築いてきた名指導者の佐藤義則氏も賛辞を送る。
「まず驚くべきは、球数の少なさです。本来、19個の三振を奪いながら、球数を105球にまとめるのは至難の技。佐々木の場合は160キロ台の直球と150キロに迫る高速フォークでストライク先行の投球が可能なため、球数を抑えられたのでしょう。簡単にツーストライクまで追い込んでしまえば、真っすぐに振り遅れまいと、低めに落ちるボールに手が出てしまいますからね。貧打のオリックス打線が最後まで攻略できなかったのも容易に頷けます」
もっとも、この完璧な投球は、本拠地ZOZOマリンスタジアムの地の利抜きには語れない。
「ZOZOマリンは、フォークを得意とする投手との相性が抜群にいい。マウンドに吹く向かい風の影響で、落差が大きくなりますからね。ちなみに『お化けフォーク』の代名詞を持つ野田浩司氏がかつて1試合19奪三振の記録を樹立したのもマリンでした。ただでさえ手足が長い佐々木のフォークは角度がついて、実際の変化以上に落差を感じるもの。向かい風がフォローして、今後さらなる完全試合がなきにしもあらず、ですよ」(前出・佐藤氏)
さしずめ「マリンフォーク」とも呼べる魔球だろうか。本拠地開催ゲームでは、快刀乱麻の奪三振ショーとなる公算が大きい。スポーツ紙デスクが解説する。
「井口資仁監督は囲み取材で『1回、どこかで休ませる』と明言していますが、あくまでローテを飛ばすのは、本拠地開催でない日曜日のみだともっぱらなんです。そもそも稼ぎ時に佐々木を登板させないワケにはいきませんからね。もし早いイニングでノックアウトされても、翌日の移動日を見越して、遠慮なくリリーフ陣でサポートできる。今季は『サンデー朗希』が定着しそうですよ」
登板翌日の月曜日は、しばらく佐々木の話題でもちきりに違いない。4月19日発売の「週刊アサヒ芸能」4月28日号では一躍、22年シーズンの主役に躍り出た「新・ミスターパーフェクト」を待ち受ける「ミッション」を詳報。不幸なアクシデントに見舞われた高校時代からのライバルの近況と併せて解説している。