3月25日に行われたドバイワールドカップで、ウシュバテソーロを世界の頂点に導いた川田将雅がこのところ、異次元の騎乗を見せている。スポーツ紙記者が解説する。
「デビュー19年目の昨年は、初めて全国リーディングに輝いたばかりか、最多勝利(143勝)、最高勝率(25.9%)、最多賞金獲得(31億5709万1000円)の3部門で1位を獲得し、JRA賞騎手大賞を受賞しました。しかも今年は3月末の時点で、昨年を上回る好成績を上げている。このままいけば、武豊が記録した02年の最高勝率記録を抜くのでは、ともっぱらです」
02年の武豊騎手はタニノギムレットでダービーを勝利するなど、年間勝率29.1%を記録。これは岡部幸雄(最高で23.0%)やルメール(同27.8%)を寄せつけない「JRA賞最高勝率記録」だが、川田の今年の国内での勝率は34.5%(3月26日終了時点)。連対率は59.7%に及び、複勝率は72.3%と、まさに無双状態だ。
「3連系の馬券であれば、川田を軸に買うのが正解でしょう。7割以上の確率で3着以内に来るわけですから。ただ、ほとんどが1~3番人気に支持されているため、配当的な妙味はありませんが」(前出・スポーツ紙記者)
確かに今年はこれまで119鞍に騎乗して、4番人気以下は8鞍しかない。その人気薄の馬でも〈3・0・1・4〉と3勝しているのだから、馬券妙味という点では期待薄だろう。であれば、黙って川田を買うしかないのか。競馬ライターは「川田に人気が集中するからこそ、大波乱が起きる」と前置きして、こう続ける。
「実は今年、4着以下に敗れた33鞍を分析すると、右回りが6鞍で、あとの27鞍は全て左回りです。しかも人気を裏切ったワースト1位が、芝1600メートルの5鞍。春のGI戦線では桜花賞、NHKマイル、ヴィクトリアマイルが該当します。桜花賞は右回りですが、もし断然人気のリバティアイランドが2着以下に敗れれば、高配当が期待できますし、苦手とする左回り(東京)の2つのGIで着外なら、万馬券は間違いないでしょう」
人気馬が敗れるからこそ大波乱となるのが、馬券のセオリー。黙っても人気を集める川田「泣きどころ」を上手に狙って、高配当ゲットといきたい。