皐月賞の勝利後、馬上で立ち上がり、拳を突き上げた横山武史(24)。昨年のGI戦は19レースに騎乗して2着1回、3着3回だった。美浦トレセン関係者が話す。
「昨夏に『シャーガーカップ』の世界選抜のメンバーとして英国に渡り、名手の手綱さばきに刺激を受けていた。自分に何が足りないのかずっと模索し続けてきたので、皐月賞の勝利はなおさらうれしかったでしょう。以前から直線の長いコースで、脚をためて騎乗することが課題の1つでしたからね」
それは数字にも表れており、
「東京より中山のほうが得意なジョッキーです。22年以降は特に顕著で、4月16日終了時点における3着内率は中山が43.1%だったのに対して東京は33.3%止まり。東京芝1400メートルや東京芝2000メートルあたりの成績は決して悪くないものの、東京では基本的に割り引きが必要ですね」(伊吹氏)
今年の1回東京も1番人気馬では〈3 1 1 4〉とまずまずの成績だったが、2番人気馬では〈0 2 1 5〉と勝ち鞍ナシ。過信禁物とみておいたほうがよさそうだ。
また、京都競馬場については騎乗数が少なく、データ的には推す材料はない。
「京都は19年11月24日と20年10月18日の2開催日だけで、まだ計5レースしか騎乗していません。他の若手ジョッキーともども、京都は乗り慣れていないので、思いのほか苦戦する可能性があるのではないかと思います」(伊吹氏)
ただ、横山武の成長も著しい。スポーツ紙記者は、1月21日中山7Rのゴーゴーユタカのレースぶりを絶賛する。
「名手の父を彷彿させる騎乗でしたね。逃げる中でまくってきた馬を先に行かせ、2番手でうまく折り合わせての勝利でした。こういう競馬ができれば、京都でも結果を残せそうです」
最後に伊吹氏は、騎乗馬についての狙い目を次のように明かす。
「今年に入ってからキングカメハメハ系種牡馬産駒との相性がいいですね。ダート戦であれば〈7 5 5 16〉。3着内率は51.5%、複勝回収率は98%に達しています」
ドゥラメンテやホッコータルマエ、リオンディーズ、ロードカナロア産駒に騎乗した際は、積極的に狙ってみよう。