1人のピッチャーとの対戦で、プロのレベルを知った──。
自身のプロ初打席を振り返ったのは、「昭和の怪物」江川卓氏である。YouTubeチャンネル〈江川卓のたかされ【江川卓 公式チャンネル】〉、4月29日付け投稿回でのことだ。
それは元阪神の山本和行氏との対戦時。決め球のフォークを武器に、先発、リリーフで活躍し、2度の最優秀救援投手に輝いた左腕である。
打席に立つと球速はあまり感じない。江川氏は「ヒョロヒョロヒョロ…ポソン」と山本氏が投じた初球ストライクを表現し、「プロのレベルこんなの?(これなら自分は)30勝しますよ…と思ったんですよ」。
そう自信を持ったという江川氏。しかし2球目、3球目の同じような球に手を出すと「ボールがパッと消えた」とのことで、結果は3球三振。今思えば2、3球目の消えたボールはフォークだったのだろう。
「ベンチへ帰る時に、背中がザワザワってした。こんなに凄いのか、プロの世界って。3球三振になった瞬間に、ウワって震えたの。怖くて」
プロ初打席を振り返り、何度も恐怖を口にした江川氏は「これは真剣にやらないと、10勝もできない」と、真面目に取り組むことを決意したのだとか。
ちなみにこの試合、江川氏はプロ初登板初勝利を逃し、山本氏が完投勝利。山本氏は何を思い、投げていたのだろうか。ぜひこのチャンネルに登場し、当時の心境を語ってもらいたい。
(所ひで/ユーチューブライター)