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国会議員は様々な「議連」を作っていますね。最近では自民党の有志が「ラーメン文化振興議員連盟」(石破茂会長)を設立するとのこと。こうした議連は何の役に立っているのでしょうか。ほとんど趣味の会みたいにも見えますが、これは公的活動として、運営費には税金が使われているのですか。趣味的なものも含め、議連の実態と国民還元について、詳細を知りたいのです。
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具体的には業界団体の声を聞いて議論するのですが、そこには議員だけでなく、お役所の人たちも呼ぶのが議連=議員連盟です。
例えば、運送業界団体の議連では、実際に運送業の運転手さんが参加して「小口配送の増加や人口減少などによる人手不足、激務化で困っています」という本音を吐露します。特にコロナ禍になり個人の配送が倍増、きっと大変でしょうね。
つまり、国土交通省なり厚生労働省なりが管轄する問題を吸い上げ、打開策を見出していくのが議連です。
ラーメン議連は「国のご当地ラーメン振興を通じて地域活性化を図ろう」というのが活動テーマです。発起人には田村憲久前厚生労働相や堀内詔子前ワクチン担当相が名を連ねていますが、彼らはラーメン好きだったのかもしれません。
でも「元大臣」「ラーメン」という引きのあるパワーワードがあったから表に出ただけで、他にも議連はゴマンとありますよ。ありとあらゆる分野にわたり、「国酒(日本酒)を守る会」「タバコを守る会」というのもありました。その数はなんと、何百にも及んでいます。
僕も議員時代は、50近くの議連に入っていました。地元の後援会から入ってほしい、とお願いされるケースもありますが、率先して自分がやりたいテーマを見つけて入ったり、作ったり。
ちなみに僕は「キャリア教育推進連盟」から始まって、「日本・フィリピン友好議員連盟」などに入りました。「マイスター制度推進議員連盟」は率先して作りました。「自民党お祭り議員連盟」なんていうのにも入っていましたが、楽しそうでしょう。全国の面白いお祭りの主催者を呼んで、課題を聞くのです。
あるいは、わりとなじみやすいライトな議連だけでなく、めちゃくちゃお堅い議連もあります。わかりやすく例えると、社会貢献をするガチなサークルです。
一般企業でも、社員有志によるサークル活動を行っているところがありますよね。一時期は社員の高齢化や若い社員が参加しないなどの理由で減少傾向にあったようですが、企業内サークルは社員間の横のコミュニケーションを活性化するから有効なんだ、と話している社長もいます。
それと同じで、議連も有志の集まりなのですが、あくまで党内で行うものなので、一般公開はしていません。会費もメンバーで決めますが、平均月一件500円から。これは歳費から引かれます。自分で立ち上げる際は党本部に赴き、手書きでのリストをその場でチェック。そこはぜひ、デジタル化してほしい(既にしているかも、ですが)。つながりのある議員に、自分が立ち上げてほしい議連があれば問い合わせをして、ぜひ作ってもらいましょう。
宮崎謙介(みやざき・けんすけ)◆1981年生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、日本生命などを経て12年に衆院議員に(京都3区)。16年に議員辞職後は、経営コンサルタント、テレビコメンテイターなどで活動。近著に「国会議員を経験して学んだ実生活に即活かせる政治利用の件。」(徳間書店)。