不朽の名作「トップガン」。その2作目となる『トップガン マーヴェリック』の公開に合わせて、トム・クルーズが来日するというニュースが入った。
2年ほど前、NHKテレビのドキュメンタリー番組で、トム・クルーズをフォーカスした回がある。それは今回の新作となる「トップガン マーヴェリック」に焦点を当て、彼が持つ「光と闇」を追うもの。かつてトムがアメリカのメディアから「個人的な宗教にハマッている」という批判を受けた一件を取り上げた。映画ライターは、この出来事がトムの分岐点だったと語る。
「その際、アメリカのアカデミー賞サイドが彼を『抹殺』しようとしたんです。トムは自戒的になり、作家的な映画に出なくなった。それまではポール・トーマス・アンダーソン、オリバー・ストーンなど作家主義の監督作品にも出ていたのに、以降は究極のエンターテイメント作品へとシフト。自分はもうアカデミー賞はとれないだろう、という懸念が生まれたのです」
ところが、それがかえってトムの「勝利」へとつながったというのだ。
トム・クルーズをトップに押し上げたもの…それはある種の「諦観」だった。間もなく公開される「トップガン マーヴェリック」が楽しみである。