手や腕のしびれは、様々な病気のサイン。中でも用心すべきが「脳梗塞」の危険性だ。この病気の判断基準は、
【1】症状が突然現れる
【2】片側だけしびれがある
【3】親指側と小指側で同じようにしびれる。
【1】から【3】のいずれかに該当すれば、まずは医療機関を受診した方がいいだろう。また、片腕のしびれの他に、手足のマヒや口元のしびれ、言葉が出てこない、ろれつが回らなくなる、めまいや吐き気がする、体がフラフラする、目がかすむなどの症状がある場合も、脳梗塞などの可能性がかなり高いと言えるだろう。他にも、片腕のしびれは、「胸郭出口症候群」「頸椎症神経根症」、糖尿病やアルコール、薬の副作用なども考えられる。
「胸郭出口症候群」は腕の神経や血流が圧迫されることで発症する。先天的要因以外にも、重い荷物を持ったり、テニス、野球などの片腕を酷使するスポーツなどが引き金で起こる。片腕のしびれ以外にも、握力の低下、細かい動作がしづらい、手の甲の骨の間がへこむ、手のひらの小指側が痩せるなどの症状が現れる。
「頸椎症神経根症」は、加齢によって椎間板が盛り上がったり、骨のトゲができたりする病気。脊髄から腕に伸びている神経根が圧迫されることでしびれが発症する。スマホやタブレットなどの長時間使用や、首を後ろに反らせる動作は、発症リスクがかなり上がると考えられているので注意が必要だ。
もし、腕のしびれが一時的なものであれば、とりあえず様子見でいいと思われるが、しびれの症状を何度も繰り返したり、1週間以上続いている、しびれが強くなってきた、朝起きるといつもしびれている、などの場合は一刻も早く医療機関を受診することをお勧めしたい。
田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。