6月6日に国立競技場にて開催された国際親善試合、日本VSブラジルの一戦を、ブラジルの新エースFWヴィニシウス・ジュニオールが振り返っている。
「この選手はちょっと(他とは)違う」
ヴィニシウスが試合翌日に出席したゴールデンコンセプト社のブランドアンバサダー就任記者会見で漏らしたこの言葉は、DF長友佑都への称賛だった。
この一戦は、ブラジルがFWネイマールのPKにより、1-0と勝利を収めたが、ヴィニシウスは日本代表とのゲームについて、
「とても難しい試合でした。日本の守備が強く、ことごとくカウンターを遮断されました。凄く強いチームだと分かっていましたが、最後に勝つ事ができてよかったです」
また、「日本人の名前は難しい」として、あまり日本代表の選手名は知らないと明かすも、印象に残った選手は「6番と5番」と回答。MF遠藤航とDF長友を挙げたのである。
とりわけ、ブラジルの左ウイングを任されたヴィニシウスは、右サイドバックの長友と直接対峙しており、その白熱のバトルはスタジアムの視線を独占した。
「試合前に、よく知っていたわけではありませんが、35歳だということは知っていました」
と語るヴィニシウスはさらに、
「試合が始まったら『この選手はちょっと違うな』という印象を受けました。スタミナも、激しい試合に耐えられるフィジカル能力も凄い。個人的にも、彼がまた素晴らしいシーズンを過ごせるように願いたいです」
そう言ってエールを送ったのだ。
「日本代表は26本のシュートを浴びるなど、ブラジル代表が誇る世界的プレーヤーによる波状攻撃に苦戦しました」
そう評するのは、サッカージャーナリストである。
「ただ、流れの中では最後まで失点を許さず、長友はヴィニシウスへの徹底マークで、彼に大きな仕事をさせることなく封じました。長友は試合後に『相手が強くなればなるほど、自分の価値や実力を発揮できると言っていましたが、モチベーションも凄く高く、ヴィニシウスにはやられない、仕事をさせないという強い気持ちで入った』とのコメントも残している。事実、ヴィニシウスは後半18分にFWガブリエル・マルチネッリと交代し、ピッチを退いています。これには解説陣も『長友の勝利』と称え、世界的名手を上回ったとする評価でした」
今秋開催のカタールW杯で、再び長友とヴィニシウスのアツいマッチアップが見られることを期待したい。
(木村慎吾)