世界中が熱狂に包まれるブラジルW杯まで、あと半年。予選C組のザックJAPANの対戦国は、コートジボワール、ギリシャ、コロンビアと続く。
サッカー解説者の金田喜稔氏が占う。
「予選を突破するには、初戦に負けないこと。その確率? 期待も込めて65%かな。世間的には楽観ムードが流れているようだけど、そんな甘いものではない。4年前と違い、侮れない相手としてマークが厳しくなり、そう簡単に(予選突破とは)いかない」
現行の32チーム参加になってから黒星スタートでの予選突破は、46チーム中、わずか4チームのみ。となると、やはり初戦は絶対に落とせない。サッカーライターの元川悦子氏が話す。
「コートジボワール戦で勝ち点を上げられれば、2位通過ができると思います。ただ、前回W杯直前の練習試合(45分×3セット)で、0対2で敗れた相手です。長友佑都が『何もできなかった』と振り返ったほどで、身体能力に秀でたアフリカ勢の中でも強豪国です」
では、どうすれば最低でも勝ち点1以上をもぎ取ることができるのか。元川氏が続ける。
「ディフェンスの組織力が問われると思います。元日本代表の松井大輔が『ガッツリと守れるオプションが必要』と話していましたが、4年前の岡田監督の戦術のように“守り倒す”ことも大切でしょう。あの時は、阿部勇樹をアンカーに起用し、長谷部誠と遠藤保仁のスリーボランチでした。今回も時間帯によっては、長谷部、山口蛍、細貝萌の守備的な布陣で臨むケースもあると思います」
では、予選突破のキーマンとなると誰になるのか。
「やはり(香川)真司だね。所属先のマンUで出場機会が減っている彼の調子が上がれば、チームもグッとよくなる。彼の出来がチームに与える影響は大きい。真司が輝きを取り戻してくれれば、予選突破の確率も上がる」(前出・金田氏)
ザッケローニ監督は代表メンバーの見直しを公言しているだけに、かつての三浦知良や中村俊輔の落選やベテラン秋田豊の滑り込み選出などのサプライズ招集が起きそうだ。
「センターバックに不安を抱えるだけに、闘莉王を呼びたいね。母国ブラジル開催で燃えないわけがないからね」(前出・金田氏)
とりわけ、南米のコロンビア戦では闘莉王が「アウェーの空気をホームに変えて」チームに勢いをつけてくれそうだ。
そして、誰もが日本代表のエースとして認める本田圭佑も年明け早々から、念願のビッグクラブ・ACミランで始動する。
「現在、セリエAで低迷しているだけに、すぐに結果を求められるという厳しい状況下です。説得力のあるプレーで周囲との連携を作れるか、真価を問われます」(前出・元川氏)
もし本田がベンチを温めているようなら、日本サッカー協会のW杯目標「ベスト8」に黄信号が点滅してしまう。
一方、決勝はブラジルとアルゼンチンのライバル対決になりそうだ。
「ともに一次予選が比較的イージーな組に入ったのが幸いする。ただ、両国ともファンが熱狂的ですから、どちらが勝っても試合後は大暴動が起きることは間違いなさそう。治安当局も軍隊の出動も念頭に置いているほどです。頭を痛めることになりそうです」(サッカー記者)
メッシとネイマールの対決も楽しみだが‥‥。