「久留米記念」◎郡司浩平/○古性優作/▲北津留翼/△平原康多/清水裕友/坂本健太郎/成田和也/渡邉一成/吉本卓仁/根田空史/伊藤颯馬/町田太我
まくり合戦は、位置取りと仕掛けのタイミングが勝敗を左右することになる。
「久留米記念」(6月25日【土】~28日【火】)は、人気上位選手たちの単騎戦もありそうで難解なシリーズ。ラインが長くなる地元勢の出番も十分ありそうだ。
郡司浩平がチャンスに仕掛けて、混戦に決着をつける。根田空史が勝ち上がらなければ単騎戦濃厚だが、九州ラインの後位から一気に抜け出すとみた。
やはり単騎での戦いになりそうな古性優作が、巧みな位置取りから郡司に肉薄する。郡司とマッチアップ、先まくりを打って逆転にかける。
三番手評価は伊藤颯馬との2段駆けが望める北津留翼。伊藤が不在でも、北津留が若手に引けを取らない機動力で、ホームバンクの吉本卓仁─坂本健太郎を引き連れてレースを作る。掛かってしまえば簡単には止まりそうになく、地元ファンの大歓声を耳にするシーンがあるのではないか。
あとは、底力のある平原康多の台頭を警戒したい。
町田太我は、前々走の広島S級戦で3連勝Vを飾っているが、9車立てでは苦戦している。実力を認められてマークが厳しくなったからだが、ここは清水裕友が待っている。主導権を取る競走に徹して、勝ち上がってほしい。
【大穴この1車】
武藤龍生(埼玉・98期)。
1月から3場所走っただけのグレード戦で、4本の万車券を演出している。ダービーは3走目1着が4万1070円、3月玉野記念3走目3着と最終日2着が1万円超。1月大宮記念(〈3〉〈2〉〈2〉〈3〉)の2次予選は7万3970円のビッグショットだった。準決勝に乗った昨年の競輪祭でも3走目3着が4万6620円。このあとの玉野サマーナイトF(7月16日~)、佐世保記念(7月23日~)まで追いかけてみたい。
【狙い目の伏兵3人】
2月GIII高知でS級初優勝の離れ業を演じた阿部将大(大分・117期)が、前走のFI岐阜(〈1〉〈2〉〈6〉)も好走してここに臨む。九州期待の若手先行の大暴れがあるとみる。
阿部と同期の太田龍希(埼玉)は、昨年の12月初めに特昇。S級戦で決勝戦進出は1度だけだが、GIIIでは2度1次予選を快勝している。GIウイナーの太田真一(A1)が父で師匠。準決勝で平原の前を走る姿を見てみたい。
木村弘(青森・100期)は、1月立川記念(〈3〉〈3〉〈3〉〈8〉)が光る。30歳の徹底先行。マイペースからの押し切りがある。
山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。