「四日市記念」◎守澤太志/○郡司浩平/▲浅井康太/△嘉永泰斗/新山響平/諸橋愛/成田和也/鈴木裕/片岡迪之/久米良/野原雅也/皿屋豊
番手で結果を出してきた自在型がラインの先頭で戦うのは、その脚力に自信があるからだ。
ナイターで行われる「四日市記念」(4月1日【土】~4日【火】)は、参戦するSS班3人のうち2人が別府ウィナーズC決勝戦に進出している。その決勝で7着だった嘉永泰斗も軽視はできず、激戦になりそうだ。
守澤太志が長い直線を利して、ウィナーズC3着の無念を晴らす。今回はウィナーズC決勝戦で北日本トリオの先頭で5着に残った新山響平の番手。3番手を成田和也が固めるのも心強い。4角から踏み込み、昨年に続く連覇を飾る!
郡司浩平を対抗にしたのは南関が手薄だからだが、鈴木裕が勝ち上がれば仕掛けやすくなる。位置取りのうまさはメンバー屈指。ヨコも強く、好位でひと息入れて逆転を狙う。
あとは、ここを3度制しているホームバンクの浅井康太と、九州の次代スター候補の1人である嘉永を警戒したい。
中部の追い込み選手が頼りにするのは皿屋豊だ。勝ちにこだわらない無欲の先行は、温厚な性格にもよるのだろう。出切ってラインで上位独占。バンクのファンは大いに盛り上がることになる。
【大穴この1車】金子幸央(埼玉・101期)。
叩き合いになっても主導権は譲らない強気の先行が持ち味。2月小倉(〈7〉〈3〉〈2〉)の決勝戦まで6場所連続で計7本の万車券を演出していて、その中には奈良記念(〈4〉〈6〉〈1〉〈6〉)の6万6780円もある。1、2着の決まり手に含まれない3着が多く、手広く流さなければならないが、1本ヒットすればプラスになる。
【狙い目の伏兵3人】
山田諒(岐阜・113期)は昨年まで2年間、1班に在籍しており、GIに3度参戦していた経験も見逃せない。予選を突破すれば勢いに乗る。
山田と同期で同じ24歳の福永大智(大阪)は、GII2度目の前走ウィナーズC初日を2着と好走した。先手を取れば粘る。
S級戦とはいえ、3月に2場所続けて決勝戦に乗ったのが道場晃則(静岡・117期)だ。記念はまだ初日につまずきがちなため、後半戦で狙いたい選手だ。
4日間通して21選手が走る「ガールズ戦」は、平塚ガールズグランプリの覇者◎柳原真緒と、乗れている〇久米詩のマッチレースが濃厚とみた。
あとは、この2人に、まくり強い地元の▲太田美穂と、逃げ一手の△奥井迪がどこまで迫れるか、だ。
山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。