交流戦2位の阪神が勢いを保てず、「広島アレルギー」に悩まされている。
6月22日の対戦でも延長10回、佐藤輝明の勝ち越し二塁打で勝負あったと思われたが、その裏の攻撃で坂倉に起死回生の同点ホームランを打たれた。そして11回、伏兵・宇草のサヨナラ弾で今シーズン6度目のサヨナラ負け。
これで対広島戦は1分けを挟み、9連敗。いまだ1勝も挙げられず、完全に借りてきた猫ならぬ「借りてきた虎」という深刻な状態と言える。
試合後の矢野監督は先発のガンケルについて、
「もうひとつ良くなかったとみている」
10回から投入した中継ぎのアルカンタラが本塁打2本を浴びたことには、
「振り返ればいろいろあるが、それを言っても仕方がない」
力なくそう話すものの、せっかくの反撃体制にブレーキがかかってはどうしようもない。球団関係者は、
「まさに勢いだけで勝っている証」
と手厳しい。さらに言うには、
「この日は島田、中野の1、2番の打順を入れ替えるなど、策を講じてうまくいった部分もあるが、結局は佐藤輝、大山頼みから脱却できていない。佐藤輝は2安打3打点と気を吐いたとはいえ、大山は厳しい内角攻めでノーヒット。それこそ矢野監督の采配が発揮できるのに、接戦で負けては、また『ダメ虎』とヤジられかねない。カープが3連覇して阪神が手も足も出なかった16年から18年と雰囲気が似てきたよ」
この試合で勝てば3位浮上だったが、痛恨の敗戦に終わった理由は、チームが一体となって戦えていないということに尽きよう。