「70周年の記念映画でコレ?」
6月21日に記者発表された東映70周年記念映画「THE LEGEND & BUTTERFLY」の主役を、織田信長に扮する木村拓哉が演じると知って、アラフィフの元SMAPファンですら大笑いした。SMAPファン世代であれば東映=「西部警察」や「相棒」「科捜研の女」といった刑事ドラマのイメージで、キムタクのかけらもないのだが…。
「昔ながらの東映ファンであれば、70周年記念作品は任侠モノか、壮大な時代劇を期待するでしょう。総事業費20億円の時代劇と聞けば、今から30年以上前、東映の配給で角川春樹氏が制作した海音寺潮五郎原作の『天と地と』のような、壮大な歴史スペクタクルをイメージします。それが、このところ映画もドラマも大コケしているキムタクと綾瀬はるかの抜擢というのですから…」(映画関係者)
キムタク主演映画の観客動員は、原作ありき。46億円の興行収入を叩き出した「マスカレード・ホテル」は東野圭吾が原作のミステリー連作であり、唯一、時代劇で当たった「武士の一分」も藤沢周平原作、山田洋次監督の鉄板コンビ三部作だ。なにもキムタクが主演を演じなくても、原作ファンが必ず映画館に足を運んでくれる、ある意味で「出来レース」ともいえる。先の映画関係者は、
「綾瀬の看板女優としての地位を不動にしたのも、東野圭吾の『白夜行』でした。今回の記念映画はベストセラー小説を土台にした作品でもなく、純粋にキムタクと綾瀬が持つ観客動員のポテンシャルが問われる。大コケしたら、2人の今後の芸能活動に影響が出るでしょう」
では、2人のポテンシャルはいかほどか。
現在、上映中の綾瀬主演「はい、泳げません」の興行収入は、上映1カ月で極めて低調。ランキングのはるか下の方に沈んでいる。17年にキムタクが演じた時代劇「無限の住人」の映画興行収入も、人気アニメが原作にもかかわらず、似たような大惨敗だった。「THE LEGEND & BUTTERFLY」に20億円を投じて、仮に数億円程度しか回収できなかったとなれば…。芸能記者が小声でささやく。
「『無限の住人』の大コケの後、ジャニーズ事務所が共演俳優を戦犯にする情報戦をしかけました。もし東映70周年記念映画で大恥を晒したら、綾瀬や監督など共演者や制作スタッフに矛先が向けられるのでは…」
そうなれば、東映映画の金字塔「仁義なき戦い」が繰り広げられるのか──。