安倍晋三元総理が公衆の面前で銃撃されるという衝撃的事件で、自民党は感傷的な気分に流され、秋に国葬を行うと発表した。しかし、反対の声も噴出し、大きな議論を呼んでいる。政治ジャーナリストが言う。
「岸田総理は個人的な感情と、総理としての立場を混同しています。国葬にする法的根拠もなければ、もちろん民意でもない。どんな人間でも暴力によって突然、命を奪われていいはずはないが、安倍氏の生前の仕事には功罪あり、罪も決して小さくありません。黒を白と言い張るような無茶苦茶を押し通した罪を、国民は決して忘れていませんよ」
旧・統一教会(現・世界平和統一家庭連合)に人生をメチャクチャにされた人たちも、山のように存在する。安倍氏は旧・統一教会の信者ではないにせよ、友好団体たる天宙平和連合(UPF)の大規模集会にビデオメッセージを寄せるなど、活動を支援し、後押しした事実がある。自民党はこれを、うやむやにしようとしているのだ。自民党関係者も渋い顔で、
「旧・統一教会による被害者の救済活動を展開する全国霊感商法対策弁護士連絡会は06年6月、当時、内閣官房長官だった安倍氏に公開質問状を出しました。しかし、安倍氏は無視しています。このことだけをとっても、安倍氏が選挙の票集めには熱心でも、本当に悩み苦しんでいる人々を救う気持ちに欠けていたことがうかがえます」
今回のような事件を起こさないためには、国葬ではなく、旧・統一教会のようなカルト団体と政治との関係を完全に絶つことではないか。そうでなければ国民は納得しない。