96歳で死去した英エリザベス女王の国葬セレモニーが9月19日、ロンドン中心部にあるウェストミンスター寺院で、厳かに営まれた。
現地時間の午前11時から始まった国葬には、イギリスのチャールズ国王ら王室関係者や歴代首相のほか、アメリカのバイデン大統領をはじめ、約200の国や地域から500人近い海外の元首や王族らが参列した。
14日から始まったイギリス議会議事堂での一般弔問の待ち時間も、最大で24時間に達するなど、一連の国葬セレモニーは「国民の母」として親しまれたエリザベス女王を偲ぶ、歴史的な行事となった。
そんな中、その開催意義や存在意義が一段と霞んでしまったのが、9月27日に日本武道館で執り行われる、安倍晋三元総理の「国葬儀」だ。内閣府関係者は、
「安倍元総理の国葬儀には国民のおよそ半数が異を唱えるという、異常な状況下で強行されようとしている。その意味でも、エリザベス女王の国葬セレモニーとの違いは、悲しいまでに歴然としています。しかも、G7(主要7カ国)の現職首脳で参列を予定しているのは、現時点でカナダのトルドー首相のみ。当初、参列を表明していたフランスのマクロン大統領やドイツのメルケル前首相もその後、参列を見送ることが明らかになりました」
こう指摘した上で、舞台裏を次のように明かすのだ。
「内閣府は三権の長や国会議員、地方自治体の首長、各界の代表らを含め、6000人程度の参列者を見込んでいましたが、地方自治体の首長の一部からも参列を見送りたいとの声が上がり始めています。そんな中、内閣府では今、安倍元総理とゆかりのなかった元国会議員や文化人らに、せっせと招待状を送りつけている。しかし、6000人の参列者を集められるかは定かではなく、内閣府の職員の間ですら、しらけムードが漂い始めています。安倍元総理の国葬儀がエリザベス女王の国葬セレモニーと比較されるのは避けられず、そのマヌケぶりを世界に晒すことになってしまった…」
まさに彼我の差を象徴する「ドッチラケ」と言っていい。