17年に国内の国籍別犯罪件数で中国人を抜きトップに躍り出たベトナム人犯罪。そのターゲットは、家畜やフルーツのみならず、生活用品から高級車に至るまで広範囲。闇に紛れて日本を食い物にする悪行三昧を緊急レポートする。
「トヨタ製のレクサスやプリウスがバカ売れだよ」
と、得意気に高級ブランド時計をチラつかせながら語るのはタン(仮名)と名乗るベトナム人の男だ。北関東で暗躍する窃盗グループのリーダーを任されている。
「もともと車の窃盗は中古車販売店やスクラップ工場を経営しているパキスタン人やブラジル人の独占案件だったが、最近はSNSのおかげで新規参入も簡単になった。フェイスブックのベトナム人コミュニティーで客を探して20万~30万円で売れちゃうわけだから」
タンの流暢な日本語に、悪びれる様子は微塵もない。全国紙社会部記者が後を引き取る。
「5月に埼玉県草加市、7月に東京都東大和市の中古車販売店で乗用車を盗んだベトナム人窃盗グループが逮捕されています。いずれも、余罪を含めて数千万円の被害額を見込む大規模事件です。むしろ、検挙件数が桁違いに多いのが『万引き』。その数は、警視庁の『組織犯罪対策部』の統計資料によれば、21年の外国人検挙総数2873件のうち7割をベトナム人が占めています」
被害が集中しているのが郊外型ドラッグストアだ。東北地方の店舗に勤める店長が頭を抱えて明かす。
「口紅、血糖値を抑えるサプリメント、水虫の薬などあらゆる商品が盗まれている。店舗ごとの被害額は30万~40万円程度。小さい金額に思われるかもしれませんが、田舎の店舗では一日の売り上げがパーになる数字。週単位で全国のチェーン店から新たな被害報告が上がってきます」
さしずめ窃盗団の餌場と化しているのだ。いったい、その悪質な手口とはいかなるものか。外国人のブローカー業を生業にする広域ヤクザ組織幹部のX氏が解説する。
「深夜の閉店間際がゴールデンタイム。レジと品出しにそれぞれ1人ずつしかいないケースが多いからな。そこに4~8人で乗り込む。1人が紙おむつや粉ミルクを購入するのはカモフラージュで、その隙に残りのメンバーが陳列された商品を盗む。すぐさま外に停めているミニバンに積み込んで逃げるって流れ。当然、この車は盗難車で足がつかない。近隣の県を跨いだ不規則なローテーションで店舗巡りしている。さすがに、同じ市町村で繰り返すとパクられるからな」
まさに大胆不敵かつ用心深い集団戦術なのである。