「弥彦記念」◎平原康多/○吉田拓矢/▲成田和也/△東口善朋/諸橋愛/村上博幸/鈴木庸之/坂口晃輔/松谷秀幸/小松崎大地/三谷竜生/菊池岳仁
復調しつつあるGIホルダーは、たとえ劣勢でもギブアップしない。
「弥彦記念」(7月28日【木】~31日【日】)は、東日本のメンバーが手厚すぎる。波乱の決着は考えにくく、穴は3着に人気薄が食い込む時ぐらいになりそうだ。
西日本に強力先行が見当たらず、2車単であれば◎平原康多=○吉田拓矢が勝負車券となる。
平原にとって弥彦は幼少期を過ごした第2の故郷。ファンの応援を背に20年のここを勝ち、昨年は寛仁親王牌を制している。吉田拓の後位から抜け出し、次走、ホームバンクで行われる西武園のオールスター(8月9日~14日)に弾みをつける。
平原をリスペクトしている吉田拓にも逆転のチャンスは十分ある。中団に構えてまくりに回る展開だ。
あとは鋭い差し脚の成田和也と、コース取りが巧みな東口善朋の突っ込みあってもおかしくない。
諸橋愛は関東勢の3番手とみるのが妥当だろう。ただし、快速の菊池岳仁と同県の後輩である鈴木庸之が進出すれば別競走になる。菊池─諸橋─鈴木庸で並ぶ信越トリオの絶好の番手。19年まで3連覇した地元の総大将に印は回らなかったが、直線一気の戴冠があっても不思議はない。
劣勢の西勢では2度のダービー王を誇りにする三谷竜生が軽視できない。先行力が戻りヨコも強く、意表を突く競走が持ち味。混戦に持ち込めば波乱を呼ぶ。
【大穴この1車】島川将貴(徳島・109期)。
5万円超を一撃したい超穴党ファン向きではないが、6場所連続で万車券を演出し、最高額は福井記念3走目2着の4万2650円。これに続くのが前走の玉野サマーナイトF2日目1着の1万6900円だった。筋違いが多いのに、そこまで高配当にならないのは、人気選手も車券に絡むため。ターゲットは力勝負の1、2着だ。
【狙い目の伏兵3人】
1月に昇級した宮下一歩(長野・115期)は、すでに4月伊東(〈1〉〈2〉〈1〉)で初Vを飾ったが、その後は足踏み状態が続いている。4度目のGIIIで目指すは1次予選突破だ。
北日本の新たな先導役と期待されるのが、22歳の櫻井祐太郎(宮城・117期)だ。駆けっぷりは、まさに韋駄天。セミファイナルまで勝ち上がれば、台風の目になる。
今期S級入りした櫻井と同期の長田龍拳(静岡)は、初戦の奈良で〈7〉〈2〉〈1〉と好走した。先手を取れば番狂わせがある。
山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。