「宇都宮記念」◎古性優作/○吉田拓矢/▲松浦悠士/△眞杉匠/宿口陽一/小倉竜二/中川誠一郎/長島大介/中本匠栄/森田優弥/坂井洋/山口拳矢
グレード戦で印は回らなくても、底力のある選手は軽視できない。
「宇都宮記念」(5月19日【木】~22日【日】)は、各地区に展開を作る機動型がそろう。500バンクだけに、ゴールするまで目が離せない4日間になりそうだ。
バンク不問の自在戦で、古性優作が横綱相撲を演じる。近畿に先行不在だが、好位を取りに行っても阻止しようとする選手は見当たらない。取手全日本選抜の覇者が、いわき平ダービー5着の無念を晴らす。
関東代表の吉田拓矢が、古性に真っ向勝負を挑む。責任あるSS班に、ようやく慣れてきた。地元栃木勢との栃茨ラインで逆転があってもおかしくない。
あとは実力者、松浦悠士の逆襲と、2年連続でダービー決勝戦に乗った眞杉匠の大暴れを警戒する。
長島大介が、まくり一辺倒から長い距離をもがけるようになってきた。ダービーの2勝がその成長の証し。長くなりそうな地元ラインのどこを走るか、にも注目したい。
中川誠一郎は、この宇都宮のバンクレコード(18年、13秒1)の持ち主でもある。来月43歳になるが、年齢を感じさせない切れ味は健在。中本匠栄との九州コンビは軽視できない。
山口拳矢は先行ではもたないものの、若手ではレースセンスが突出している。混戦で持ち味発揮がある。
この3選手に印は回らなかったが、底力で勝ち負けに絡んでもおかしくない。
【大穴この1車】
永澤剛(青森・91期)。
追い込み選手にしては、1月からの記念2場所で4勝。そのうち3戦で万車券を演出している。1月和歌山(〈1〉〈1〉〈1〉失欠)の1着2本が3万円と2万円超、3月大垣最終日は4万超だった。しかもそのうえ、GII宇都宮ウィナーズC2走目1着が11万2350円、前走のダービー3走目1着6万9480円と高配当が並ぶ。点数は絞りにくいものの、一本ヒットすれば大幅プラスになる。
【狙い目の伏兵3人】
今期S級入りした阿部将大(大分・117期)は、初めてのGIIIだった高知で(〈1〉〈1〉〈2〉〈1〉)と好成績で優勝している。対戦相手が強化される記念の今回は、試金石のシリーズになる。
阿部と同期の小笠原光(岩手)は、GIIIではまだ1勝しただけ。持ち前のダッシュで2勝目を狙う。
ここのウィナーズCで2着(補充)と好走したのが、小畑勝弘(茨城・115期)だ。自在戦で戦う22歳。もつれれば出番が回ってくる。
山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。