名古屋「共同通信社杯」◎脇本雄太/○松浦悠士/▲平原康多/△守澤太志/佐藤慎太郎/郡司浩平/古性優作/清水裕友/吉田拓矢/深谷知広/新山響平/眞杉匠
連勝中の大本命に多彩な戦いで挑む選手は、注目されることになる。
今年のGII第3弾、名古屋「共同通信社杯」(9月16日【金】~19日【月】)は、優先出走枠がある若手の登竜門でもある。好調なGIウイナーとSS班に印は集中したが、主導権は譲らない機動型が目白押し。波乱の決着も十分あるシリーズになりそうだ。
現在、S級最多連勝新記録を20に伸ばしている無双の脇本雄太には逆らえない。スピードに乗りやすく、まくりが効くバンクで、後位は盟友の古性優作ががっちりガードする。最終日の決勝戦も横綱相撲で締めくくるとみた。
対抗は記念を連勝している松浦悠士。展開に応じたクレバーで多彩な競走が光り、自力でも戦える。わずかだが、仕掛けしだいでは逆転もある。
あとは眞杉匠─吉田拓矢の関東ラインの3番手でチャンスをうかがう平原康多と、ファイター守澤太志の直線一気を警戒する。
深谷知広が小田原記念(〈2〉〈1〉〈1〉〈1〉)で久々の記念優勝を飾った。かつて一時代を築いたスーパースターであり、当時は愛知所属の選手だったが、今でも深谷ファンは多い。郡司浩平との南関コンビで場内を沸かせるはずだ。
【大穴この1車】小松崎大地(福島・99期)。
S級戦では取りこぼすことがあるものの、大舞台に強く、GIでは2度決勝戦に乗って10万円超2本を含む万車券6本を演出している。ただしGIIは控えめで準決勝止まり。7月玉野サマーナイトの最終日2着と3月宇都宮ウィナーズC初日1着が2万円超だった。先行力があり、追い込みでも結果を出している。高配当2本に期待したい。
【狙い目の伏兵3人】
大器と評判の新人、中野慎詞(岩手・121期)が青森記念に続いてグレード戦に連続出場する。初日に好走して勢いに乗るようなら台風の目になる。
四国の新たな大砲として台頭してきた犬伏湧也(徳島・119期)は、つまずくことが多い2次予選をクリアしての大暴れに期待したい。
犬伏と同期で、出場選手中、最も若い吉田有希(茨城・21歳)を鍛えているのが兄の吉田拓矢。ここは関東の先頭で戦い抜く。
最終日に行われるガールズ10周年記念「ティアラカップ」は、歴代のガールズグランプリ覇者らによる一戦になる。
本命は児玉碧衣で不動。相手は東京の3車、○石井寛子、▲小林莉子、△奥井迪とみた。
山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。