日韓関係を冷えきらせるのに大きな役割を果たしたのが、慰安婦問題の主犯・「朝日新聞」だ。ねじれた日本政府叩きの記事は韓国に伝えられ、NO1保守系紙「朝鮮日報」で反日記事となる。反日⇔嫌韓の増幅装置となった2つの「朝日」の罪を気鋭論客が責め尽くした!
4月16日にソウルで行われた日韓局長級会談。その調整は難航を極めた。韓国側が議題を「慰安婦」に限定しようとしていることに、日本側が抵抗したためである。
日本企業の対韓投資が昨年に比べ4割も減るなど、今や韓国との関係は官民を問わず冷えきっている。その原因は、朴槿恵〈パク・クネ〉大統領(62)を代表として世界中で「慰安婦」を「性奴隷」にすり替え、ウソをまき散らす反日活動だ。そもそも慰安婦問題は、朝日新聞の“でっち上げ”で始まったことは、広く指摘されているところである。その朝日新聞に対する韓国政府の寵愛ぶりを、元朝日新聞記者で、ジャーナリストの窪田順生氏が解説する。
「韓国政府に理解を示す報道をする朝日新聞は絶対の信頼を受けています。新大統領が就任すると、日本の新聞社が順番に単独インタビューできるのですが、たいてい朝日新聞が最初と聞いています」
韓国においては、日本で最も部数の多い読売新聞さえ置き去りにされ、産経新聞にいたっては声さえかけられないという。
戦後、日本政府に反対姿勢を打ち出してきた朝日新聞だが、その記事は韓国メディアに紹介され、反日報道となる。朝日新聞は韓国東亜日報と提携しているのだが、そうした“飛び火”が最も効果的に働くのは、朝鮮日報が報じた時だという。ソウルに住むジャーナリストの金英順氏が語る。
「竹島や靖国問題など、韓国民の意識をいちばん代弁している新聞が朝鮮日報です。宅配契約すると半年から1年ほど無料で配ってくれることもあり、韓国で最も読まれています。同社は広告料が高いので、そうしたサービスができるのです」
朝鮮日報は日本で「朝日〈ちょうにち〉」と略される。字面こそ朝日新聞と同じだが、その論調は保守そのものであり、日本発のニュースでは、誤報が多いことでも有名だ。最近、日本在住の特派員たちの間で話題になったのは、日本の固体燃料ロケット、イプシロン打ち上げ成功の記事だったという。外国人記者が語る。
「朝鮮日報は、日本がロケットを大陸間弾道弾(ICBM)に転用すると報じました。確かに転用可能ですが、固体燃料は古い技術。安価に打ち上げるための開発です。日本が韓国を攻撃するにしても、対馬から見える距離の韓国にICBMは必要ないでしょう」
こうした誤報は他にもある。安倍晋三総理(59)による靖国参拝を受け、今年1月3日には「靖国神社に長蛇の列、位牌の前で1年の願い事」と題した記事を、こう報じている。
〈神社を参拝した人々は、戦没者の位牌〈いはい〉の前で手を合わせ〉
靖国神社に位牌など存在しないことは言うまでもない。冒頭の局長級会議開催に関しても朝鮮日報は、
「局長級協議の議題 慰安婦問題でほぼ合意=韓国駐日大使」
と、日本とはまったく違う報道をしている。評論家の室谷克実氏はこう語る。
「韓国紙全てに言えることですが、韓国に都合のいい証言があれば、それを大々的に報じるばかりで、真偽を確かめるウラ取りはめったにしません」
文章を書く人を尊敬する韓国において、記者は記事を書くことに重きを置き、取材を怠る傾向にある。また、ニュースよりも、あらかじめ内容の決まった読み物を“作る”ことのほうが多いという。
かつて、朝鮮日報の日本特派員は同社で出世が保証されたエリートコースだった。最近では米国と中国が重視されるようになったことから、なり手も少なくなったという。窪田氏が言う。
「特派員は、1面を狙って売りたいという下心があって書いていると思います。保守代表の新聞ですから、日本のことなら多少の飛ばし記事を書いてもいいという風潮はありますね」
結果、朝日新聞と朝鮮日報は「反日」という立場で合致。時にお互いが書いた記事が日本海上を往復し、問題を解決させない方向で機能することさえあるのだ。
◆アサヒ芸能4/15発売(4/24号)より