NHK朝の連ドラ「ちむどんどん」が、9月30日の最終話に向けいよいよ大詰めとなってきた。
今後は主人公の黒島結菜扮する比嘉暢子が、宮沢氷魚扮する青柳和彦と結婚して暢子が自分の店を持つ、という流れで進んでいくと思われるが、そんな物語の進行をよそに、作品の「悪評ぶり」が収まらないのである。
エンタメライターが言う。
「ここ1カ月ほど、暢子と和彦の結婚に対して視聴者は非難囂々でした。2人の役柄にも『共感できない』などの苦々しい意見が多く『朝ドラ史上最低の駄作!』といった声まで出ているほどです」
ただ、竜星涼扮する「ニーニー」こと長兄の賢秀は、むしろ株が上がった、という。ドラマ評論家が言うには、
「朝ドラ放映直後の番組『あさイチ』の毎金曜日にあるスペシャルインタビューに竜星を登場させたことが大きかった。放送の1カット目から竜星が椅子に座った全身の姿を映したのですが、座っているにもかかわらず、極端に脚の長いことがわかるスタイルの良さに、視聴者の多くが度肝を抜かれました。スーツ姿も様になっており、話し方にも知性と誠実さが滲み出ていた」
その後の展開も、賢秀の金銭にだらしのないところは相変わらずなのだが、「賢秀と竜星自身は全くの別物」と、視聴者の認識は明らかに変化。その上、黒島と宮沢などへの反感の方が今や上回ってしまい、「ニーニー」のキャラなど可愛いもの…、という状態になっているようなのだ。ところが、である。先のエンタメライターは、
「NHKとしては、その波に乗るべく、8月5日放送の『あさイチ』のスペシャルインタビューに宮沢氷魚を登場させようとしました。が、新型コロナ感染でまさかの出演不可に…。また、暢子の幼なじみで、彼女を追って東京に働きに出てきた前田公輝扮する智も、7月8日に出演のはずが、新型コロナ感染のため出演を見合わせています」
NHKはこれまでも「あさイチ」を使って「朝ドラ推し」の特集を組むなど、なりふり構わぬ番宣を仕掛けてきたが、8月8日からは高校野球中継のため、「あさイチ」はしばらくお休み。恒例の「朝ドラ受け」のフォローも望めない。いわば悪評回避の万策が尽きてしまった形である。
結局、大不評のままエンディングを迎える可能性が高いのである。
(島花鈴)