NHKの連続テレビ小説「ちむどんどん」の評価が地を這っている。「ちむどんどん」は、沖縄の4兄妹の次女・暢子(のぶこ)が、沖縄返還の72年に上京し、一流レストランでの修業を経て、東京で沖縄料理の店を出すという成長物語。
沖縄の本土復帰50年を盛り上げるドラマになるはずだったが、暢子はイタリア料理で修行したのになぜか沖縄料理の店を出すと決心し、さらにそんなタイミングでの妊娠、夫の退職という、まったく「ちむどんどん(胸がドキドキ)」しない展開に。
放送後にはツイッター上に「#ちむどんどん反省会」として、ストーリー展開やキャラクターに厳しく突っ込むコメントが数多く書き込まれ、こちらの方が盛り上がっている有り様だ。
この状況にNHKも危機感を抱いているのか、同局の視聴アプリ・NHKプラスの利用者増加に貢献したとして、「ちむどんどん」の制作チームが局内表彰された。さんざんな評価のドラマ制作陣を励まそうとの意図があったのだろう。NHK関係者も嘆く。
「制作チームには評判が悪いことは伝わっているので、そんな状況下でドラマを作り続けなければいけないのはかなりしんどいでしょう。記者の中には、わざわざフォローする記事を書いている人もいますが、あくまで『そこまで悪く言うもんじゃない』という主旨であり、隠れた見どころを掘り起こしているわけでもない。フォローのしようがないから、仕方がないのですが…」
ただ、出演する俳優たちまでけなす声はあまりない。ヒロインを演じる黒島結菜をはじめ、どの俳優もキャラクターをうまく演じている。そのぶん、トンデモキャラたちの真実味のない行動が「ありえん!」と、視聴者の怒りを買ってしまうのだ。朝ドラウォッチャーが言う。
「なんと、脚本家をはじめ、料理の知識が全くない男性3人が話し合いながら、脚本を練り上げたそうです。そのせいで、料理への愛情や生活感がなく、女性キャラは薄っぺらになってしまったんでしょう。NHKはなぜ評判が悪いのか、検証して次に生かす必要はありますが、キャストに責任はない。『ちむどんどん』に出演していたからといって、評価は下がらないでしょう。今後の出演作に期待したいですね」
ともあれ、朝ドラ次回作「舞いあがれ!」を待ちたい。