「この話を聞いてるだけで、胸いっぱいになっちゃいますよ」
フリーアナ・徳光和夫が、思わず涙する。そんなひと幕があったのは8月18日、徳光がMCを務めるYouTubeチャンネル〈徳光和夫の人生ジャイアンツ【日テレジータス公式】〉でのことだ。
ゲストとして招かれたのは、巨人の場内放送係を務める渡辺三保さん。昭和、平成、令和にわたり、後楽園球場、東京ドームと、巨人のホームグラウンドで美声を響かせてきたウグイス嬢歴43年目の大ベテランだ。
「場内アナウンス係を選んで、よかったなと思ったのはどんな時でした?」
徳光がそう尋ねると、渡辺さんはこう答えた。
「感動的な場面に立ち会えた時とか。今、(巨人の)国際部長になっている吉村禎章さんがケガから1軍に復帰した時の、代打のアナウンスですとか…」
左ヒザ靭帯断裂の大ケガを負った後の復帰戦は、89年9月2日のヤクルト戦。「バッター、斎藤に代わりまして、吉村」と渡辺さんはアナウンスした。
10年4月7日、クモ膜下出血で急死した木村拓也1軍内野守備走塁コーチの追悼式で「セカンド、木村拓也、背番号0」とアナウンスしたのも、忘れられないシーンだという。
「涙ボロボロだったんですけども、フロントの人に『よく泣かないで喋れるね』って言われたんで、声はちゃんとできてたのかなと思って」
さすが、プロの仕事である。
(所ひで/ユーチューブライター)