自民党の萩生田光一政調会長といえば、衆院東京28区をめぐる公明党との調整のもつれの結果、公明党の支持母体である創価学会から「仏敵」認定されたとして話題になったが、6月24日の名古屋市内での会合では「兄弟ゲンカは仲直りしなければならない」と、関係修復に意欲を示した。
萩生田氏は自民党東京都連会長であり、公明党の石井啓一幹事長をして「東京における自公の信頼関係は地に落ちた」と批判された。会合ではそのことに触れた上で「夫婦ゲンカは離婚の危機があるが、兄弟ゲンカは仲直りしなければならない。我々は夫婦ではなくて、兄弟だと思っている」と述べた。
夫婦だと離婚して別れることもあるが、兄弟は別れることができない関係、ということのようだ。萩生田氏とすれば、自公の関係を兄弟にたとえることで、これ以上、公明党との対立が深まるのは避けたい、との思いがあるようだが、このたとえ、自民党内ではすこぶる評判が悪い。さる自民党保守系議員は、
「公明・創価学会が東京で小選挙区を2つよこせ、と吹っ掛けてきたのに屈しなかったことで、萩生田株は上がった。それなのに自分から矛を収めるとは、高校時代に『ケンカ番長』で鳴らした人物とは思えない。そもそも公明党は兄弟でもなんでもない。お互い利害が合致し、連立を組んでいるだけの、アカの他人だ」
まさに酷評である。
兄弟でも相続などをめぐって、骨肉の争いを繰り広げることはある。萩生田氏のたとえにはそもそも、無理やり感がありありなのである。