9月30日、自民党は旧統一教会(世界平和統一家庭連合)と党所属国会議員との接点に関する追加点検結果を公表した。
ところが、旧統一教会が主催した会合への出席を認めていた山際大志郎経済再生相の名前が、追加公表の議員名リストから漏れていたことが発覚。さらに当初、追加点検結果は茂木敏充幹事長が会見で公表する予定だったが、急遽、当の茂木氏の意向によって、担当記者だけのオフレコ懇談会に切り替えられるなど、ドタバタが絶えない。
そんな中、自民党内では今、旧統一教会問題での不手際対応が続く茂木幹事長へのブーイングが、燎原の火のごとく広がり始めている。自民党の有力派閥幹部は、
「もともと岸田(文雄)総理は、点検結果の全面公表を主張していた。9月6日に自民党本部4階の総裁応接室で開かれた役員会議でも、岸田総理は『接点のあった議員の氏名は全員、公表すべきだ』と迫り、遠藤(利明)総務会長も、岸田総理の考えを支持していた」
こう明かした上で、次のように指摘するのだ。
「ところが、茂木幹事長が『秘書が勝手に祝電を送ったケースもある。全員の氏名公表はすべきではない』と強く抵抗し、結局、世耕(弘成)参院幹事長の折衷案を取り入れる形で、接点のあった179人のうち121人の氏名公表が決まった。第1回目の報告から全員公表に踏み切っていれば、その後の流れもいくらかは変わったはず。その意味でも茂木幹事長は、最初からボタンをかけ違えていた。追加公表へと至るその後の不手際は見ての通りで、茂木幹事長に対する党内ブーイングは日増しに高まっている」
さらに、別の有力派閥幹部も、次のように畳みかけるのだった。
「茂木さんの『威張る』『怒鳴る』は、党内では有名。否、最初の点検結果を公表した際の会見でも『調査』という言葉を使った記者に対して、憮然たる表情で『調査ではなく点検だ!』と押し返している。その横柄な感じは、国民にも伝わったはず。茂木さんはポスト岸田レースも含めて、総理・総裁の座を虎視眈々と狙っているとも言われ、ここ数年、ワタツネさん(渡辺恒雄読売新聞グループ本社代表取締役主筆)のもとに足を運び、総理・総裁になるための帝王学を学んできた、との噂も耳にする。しかし、今回の一連の不手際と生来の気質は、今後、頂上決戦へ向けての大きな障害になるかもしれない」
旧統一教会問題への対応を党に丸投げしていた岸田総理のツケが、巡り巡って茂木幹事長の身に降りかかってきたということか。