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今回は、国会議員からの直接の相談です。旧統一教会絡みの報道もそうですが、一部に捏造的なものもあり、送られてきた情報をメディアが確かめもせずに出して困る、という悲鳴です。ゴシップ誌ならまだしも、政治問題も売りにする週刊誌は、取材を徹底してほしいのです。
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昨今の、旧統一教会と国会議員絡みの報道を機に噴出した、議員からメディアへの注文ですね。議員たちから上がる悩みで、あちこちから聞こえてきます。
「週刊新潮」が力を入れて取り上げている、自民党・萩生田光一政調会長の「神の国発言」記事もそのひとつです。「やっぱりズブズブ教祖『文鮮明ファミリー』とお友達『萩生田政調会長』の嘘・嘘・嘘」として、萩生田氏が旧統一教会の施設で「政治の世界でみなさまの代表として、神の国の実現を果たしたい」というスピーチをしたというもの。こちら、萩生田事務所の関係者に聞いたところ、こう説明してくれました。
「こちらの調べによると『週刊新潮』がジャーナリストの鈴木エイト氏と追及している記事なのですが、ネタ元である証言者はたったひとり、元信者という方なんです。さらにその証言がどんどん誇張されて、まるで萩生田氏が文教祖とファミリーにまでなっている、と書かれていますが、そんなことはないのに。それに拍車をかけて、一部テレビの報道が扱うので、いかにも本当のように聞こえてしまっています」
テレビ報道の中には、萩生田氏の事務所に一度も取材していないところもあったとか。メディアのあり方って本来は、独自でもっと足を運んで地ベタを這うような取材をするものではないでしょうか。せめて確認だけでもしてほしい、と憤慨していました。
片や自民党の山本朋広議員が、旧統一教会のイベントで、韓鶴子総裁を「マザームーン」と連呼していた件は、事務所に質問状が送られてきているようです。
ただ、回答はあまり的を射ないものだったというオチですが、萩生田氏に関しては、質問状すら届かなかったことが問題でしょう。さすがにひとりの証言ではあやふやだ、と言われても仕方ないのかもしれません。
旧統一教会の問題に関しては、多くの国民が勘違いしている気がします。自民党参議院の比例当確ラインは15・6万票。現在、旧統一教会の信者は全国で6万人だそうです。少ないですよね。旧統一教会の信者の票があれば選挙で勝てる、というわけではありません。そしてその6万人が政治の真髄に関わることはまず、ありえません。
と、断言しつつも、政治と宗教に関しては、簡単には結論が出ません。本当に奥が深いので、河野太郎大臣が立ち上げた「霊感商法検討会」をもってしても、解決はなかなか‥‥。
8月29日に初会合が行われていますので、追いかけてみたいと考えています。
報道機関はいま一度、そのあり方を見直してはどうでしょう。旧統一教会問題に関しては、どっぷり癒着している議員と、そうではない議員をしっかり取材し、リスト化してほしい。そして黒い人たちを取材対象と決めて、徹底的に取材してみてはどうでしょうか。
宮崎謙介(みやざき・けんすけ)◆1981年生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、日本生命などを経て12年に衆院議員に(京都3区)。16年に議員辞職後は、経営コンサルタント、テレビコメンテイターなどで活動。近著に「国会議員を経験して学んだ実生活に即活かせる政治利用の件。」(徳間書店)。