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子供の小学校のデジタル化がチグハグすぎます。なんと出席をとるのに、連絡帳に貼られているQRコードが必要なのだと。なので毎日、連絡帳の持参が必須。iPadも持っていっているのに、ですよ。時代的に出席はデジタルでとることが可能なのでは。国のデジタル化政策はどうなっているのでしょうか。
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まさに静岡県の幼稚園バスでの置き去り死事件は、デジタルの出席確認があれば起こらなかったのでは、と考えてしまいます。
そもそも論で、職員の杜撰な管理意識が一番の問題ですが、ひどすぎます。
遊園地では最近、手首にチケットを巻きつけ、アトラクションに乗るたびに、ピッとやっています。コンサートだって、ケータイに送付するチケットになっている。デジタル化はそんなに難しいことではないような気がします。
子供がバスに乗る際には児童カード、もしくは腕輪のコードを機器にピッと通して、降りる際にもピッとやればいい、と考えますよね。私立の幼稚園や小学校では、磁気カードをピッと通し、「登校しました」のメッセージが親に届くシステムになっているところが増えています。これは私立だからできること、というわけでもないでしょうに。
つまり国のデジタル化というよりも、現場の人がガラパゴス状態なのです。IT化できていない校長、教頭、学年主任、現場の教師が多い。国からシステムが降りてきたとしても「いやぁ、現場でそれに対応するのは無理だし、急には変えられませんよ」と。
都内でも無理なのに、地方はどうなっているのか。いまだに指サックをつけて、生徒の書類をまとめていますよ。結局、形骸化してしまっているのです。
ちなみに、くだんの幼稚園バスの件では、こんな意見が多く届いています。
「バスに窓がないって、どうなんでしょうか。窓を絵で塗りつぶすバスは違反として、チェックしてほしいです。幼稚園バスなのにアドバスなの? 広告なの? まずは、学校のバスは全て窓ありにすべきです」
文科省が会見しましたが、幼稚園と保育園双方の機能を持ち併せた認定こども園の管轄は内閣府。幼稚園は文科省で、保育園は厚労省。成り立ち上、仕方ないのかもしれませんが、静岡の幼稚園は、認定こども園「川崎幼稚園」。こども園、幼稚園、どっち? 内閣府も責任の所在を明らかに!
結論としては、最後はやっぱり人なのです。ピッと通すデジタル化が進められないのであれば、連絡帳を持ってきた人、あるいは、カードを通した子供だけが出席を確認できる、という中途半端なことにはせず、はなから出席簿で先生がチェックすればいいんです。
かつて保育園や幼稚園で、出席ノートが一斉に廃止され始めた時期がありました。5年ほど前のことです。母親たちからは、
「毎日提出し、先生たちが書くコメントから園の様子を知ることができたので、ガッカリです。書く作業は大変でしたし、先生も書くのは大変だったと思いますが、それが楽しみでした」
との意見が続出したとか。デジタル化ができないなら、いっそ徹底したアナログに戻すとか。それが繋がりというものでは‥‥。
宮崎謙介(みやざき・けんすけ)◆1981年生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、日本生命などを経て12年に衆院議員に(京都3区)。16年に議員辞職後は、経営コンサルタント、テレビコメンテイターなどで活動。近著に「国会議員を経験して学んだ実生活に即活かせる政治利用の件。」(徳間書店)。