デビュー以来、3連敗とプロの洗礼を受ける楽天ルーキーの松井裕樹(18)。オープン戦で見せた快投は影を潜め、4試合19回1/3を投げ、24与四死球のノーコンぶりで二軍降格となった。ところが、投球内容だけでなく、その性格にも“悪評”が噴出しているのだ。
プロ初先発した4月2日の対オリックス戦を解説した野球解説者の高橋雅裕氏が指摘する。
「正捕手の嶋(基宏)と話した際に、『スライダーが配球の中で使えるか、使えないか』だと言っていた。ベース手前でワンバウンドしたり、すっぽ抜けたボールを嶋がのけぞってキャッチしたり、高校の時と比べても明らかにその精度が落ちている」
松井といえば、「黄金ルーキー」ともてはやされたが、他球団のスコアラーはすぐに弱点を見抜いた。高校時代から課題と言われていたセットポジションでの投球では球種が見破られ、完全にカモにされているのだ。学生野球やノンプロ野球を精力的に取材するスポーツライターの美山和也氏が言う。
「多くのプロ野球選手を輩出する名門校の監督は、『俺だったら、松井に守備動作とセットポジションを徹底的に叩き込ませるんだけどな』と言っていました。他の強豪高校の監督たちも、『走者を置いた際のクイック投法と牽制を修正しなければ、プロでの活躍は難しい』と口をそろえていた」
チーム内からは、早くも松井のピッチングに対して不満の声が漏れ始めている。「中心選手の一人は、『ルーキーだし援護してやりたいが、松井は投球リズムが悪すぎて、守りづらいし、打線にも流れが生まれにくい』とこぼしていました」(楽天番記者)
黄金どころかメッキが剥がれた形だが、プレーよりもさらに重大な欠陥があるようで‥‥。
「松井はタイプ的に“イマドキっ子”なんですよ、ワガママで負けん気が強いのは投手として大成するには重要な資質ですが、損得や打算で物事を考えるフシがあり、上の人間にもずけずけと物を言ってくる。この間も広報担当者が松井に『このボールにサインをしておいて』と頼んだら、『何でサインしなきゃいけないんですか?』と拒否したほどです」(球団関係者)
また、巷間言われる世間の10代よろしく、自分が周囲にどう見られているのかを気にし、敏感に反応するのだとか。
「特に星野監督のことはかなり恐れているようで、自分のことをどう言っているか、スマホで情報収集しているようです」(前出・番記者)
こうした細かな性格は父親譲りと言われている。
「アパレル関係の仕事をする実父の良友氏は、息子を溺愛するあまり過干渉。高校時代には殺到する取材陣に、『裕樹だけ取材されるのは不公平だ。迷惑だからもう来ないでくれ!』とどなり散らしていた。また楽天との入団交渉の席では、球団に対して『肖像権を管理したい』など、自分たちが有利になるようなさまざまな注文をつけてきたといいます」(スポーツ紙記者)
降格した松井にさらなる“プロの洗礼”が降りかかるおそれもある。
「大久保博元二軍監督との衝突は必至です。大久保監督は西武二軍打撃コーチ時代、当時ルーキーだった菊池雄星と対立。イマドキっ子の松井にとって最も嫌いなタイプだけに、トラブルが起こらなければいいのですが‥‥」(前出・楽天番記者)
松井にとって、体育会体質の克服が、一番の緊急課題かもしれない。