永野芽郁が単独初主演し、9月6日に最終回を迎えた連ドラ「ユニコーンに乗って」(TBS系)の評判は、いかなるものだったのか。
第1話こそオリコンの満足度ランキングで2位を獲得するなど健闘を見せていたが、2話で5位に失速後はランキング下位に鎮座。最新の満足度ランキング(8話)ではギリギリ10位に留まっているが、9話と10話が今後、ランキング内でどう反映されるのか気になるところだ。
世帯視聴率は、初回8.7%からスタートし、7~8%台をウロウロ。最終話も8.7%でのフィニッシュとなった。胸キュン路線の恋愛に特化した人気枠として、固定ファンをガッチリとつかんでいるのが分かる反面、内容としては「起こした会社が、学生サークルの延長のよう」など、リアリティーを求めるには物足りなかったようだ。
ドラマライターが分析するには、
「永野よりふた回り以上も年上の西島秀俊をメインキャストのひとりに据えたことで、新鮮さと重厚感を与えることに成功しています。西島主演の映画『ドライブ・マイ・カー』(21年)で、国内外で存在感が激増したという話題性も、視聴のキッカケとして大きく貢献しています」
永野に絡むもうひとりのメインキャストである杉野遥亮も、若手俳優では知名度と人気度ともに急上昇中。
「キャスティング的にはこれ以上ない組み合わせが実現した、と言えるのですが…」
として、先のドラマライターが続ける。
「西島も杉野も、役柄に沿って大胆に見た目や声のトーンなどで演技を変えていく、カメレオンタイプの俳優ではありません。西島は若手の時こそ、映画などでロン毛&無精ヒゲにしたこともありましたが、テレビドラマでの主演が増え始めてからは、基本的に爽やか路線で視聴者を魅了していく。良くも悪くも常に一本調子な演技、ともとれます。杉野も事務所の先輩である松坂桃李や菅田将暉らが、結婚前に多数の作品に出演して演技経験を増やしていたことと比べれば、厳選しているのか、出演作品がまだまだ少ない。発展途上かつ伸びしろの余白を残しているのは否めません」
その結果、永野の最大の持ち味である「普通っぽさ」が、浮き立ってこない。むしろ恋愛が絡むドリカム構成だと、カマトトぶっているようにも見えてしまう。ドラマ関係者が指摘する。
「永野をもっとパンチのあるキャラにしてもよかった。新垣結衣と瑛太主演の映画『ミックス。』(17年)では、新垣扮する卓球選手のライバル役として、ケバいメイクで自信満々な態度を見せ、新垣の恋人役(瀬戸康史)を奪っていった。『雑草魂を持つCEO役』が今回のキモなのであれば、もう少しガツガツした攻めの姿勢を見せてくれると、話の面白みが増したかもしれません」
そろそろ「じゃりン子臭」を脱した、大胆なキャラ変が必要だろう。
(島花鈴)