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テレビ各局やネット媒体が生中継した安倍元総理の国葬は、国民的ニュースとなりました。宮崎さんも参列されたことと思いますが、中にいた人にしかわからない様子をぜひ知りたいです。そして60%以上の国民が反対する中で強行されたことによる、今後の政権運営への影響は‥‥。
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安倍元総理の国葬に参列してきました。私は元衆議院議員として案内状が届き、出席した次第です。
当日は11時35分に衆議院第一議員会館の1階に集合し、随時、バスで武道館まで移動しました。バスはどうやら5、6台分まで用意されていたようです。
会場には12時過ぎに到着。式が始まるのが14時なので、それまでは着席して開始を待っていました。
私は式壇に向かって右側の二階席におりました。この席は、元衆議院議員の席なので、当選回数も問わず、一緒くたに同じエリアに座ることになりました。高村正彦自民党元副総裁や、河村建夫元官房長官、古賀誠元幹事長などの後ろに豊田真由子が座る、というような具合でした。シーンとしている中、唯一、目が合ったのが、河村先生。「久しぶりだね。こんなところで再会するのも、残念だねぇ」と声をかけられました。
全く見たことがないような議員や、大阪の維新旋風によって、惜敗率50%未満で一期だけ当選した議員もいました。久しぶりに丸山穂高にも会い、挨拶を交わしました。
印象としては、野党系の議員も多く出席していて、旧民主党の元議員も多く参列していましたね。その議員曰く「今の執行部も国葬に参加すればいいのに」。元職になると、呉越同舟という感じでしょうか。
20分前になって、場内で司会者から式壇のモチーフについての説明があり、いよいよ式が始まる空気になってきました。皇室方の御入場から、昭恵夫人と岸田文雄総理の入場も、厳かに行われていました。
友人としての菅義偉前総理のスピーチは、会場全体の感動をさらっていました。私の隣にいたベテラン議員も、すすり泣きで‥‥。
その後、一人一人が献花をする時間になりましたが、皇室方から始まり、内閣総理大臣の歴々、現役閣僚、海外の要人の方々、現職の衆参議員、その後に私たちです。
集合してから、またバスに乗って解散するまで、約6時間。式自体は華美ではなく、どちらかといえば質素な印象を受けましたが、いたるところに警察官が配備されており、警備にはお金をかけたな、という印象です。私は知人や友人から「テロに気をつけて」とか「後ろには注意して」と言われていましたが。
私が帰りに地下鉄に乗った時、同じく家路に向かう警察官たちと遭遇しました。制服を着た状態で、自前のユニクロの紙袋を持っている姿が印象的でした(笑)。
国論を二分する政策を常に進めてきた安倍総理らしい、と言えば語弊があるかもしれませんが、国葬までもが二分することになってしまいました。まだ議論が続くかもしれませんが、行く末をしっかり見守りたいと思います。
宮崎謙介(みやざき・けんすけ)◆1981年生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、日本生命などを経て12年に衆院議員に(京都3区)。16年に議員辞職後は、経営コンサルタント、テレビコメンテイターなどで活動。近著に「国会議員を経験して学んだ実生活に即活かせる政治利用の件。」(徳間書店)。