9月8日、自民党は衆参を合わせた党所属の国会議員379人のうち、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)との接点が確認された議員は179人、繋がりが深いと判断された議員は121人だったとする点検結果を公表した。
ところがその後、点検漏れや申告ミスなどが次々と露見する事態に。例えば木原誠二官房副長官は、関連団体主催のパネルディスカッションに参加していたことを公表。今村雅弘元復興担当大臣も、関連団体の会合で挨拶していたとして、申告を修正した。
また、平井卓也元デジタル担当大臣と山本朋広元防衛副大臣は、関連団体主催の会合ではなく、旧統一教会主催の会合に出席していたとして、申告を修正するに至っている。
そんな中、9月20日、自民党の茂木敏充幹事長は記者会見で次のように述べ、党内で相次ぐ追加報告や修正報告の結果を改めて公表する考えを示した。
「(旧統一教会との関係の)全体像に大きな変化が出ているとの報告は受けていないが、追加報告や修正報告の結果を集計、集約し、時期を見て公表したい」
だが、岸田文雄総理の周辺からは「対応策を打ち上げるたびに、事態は悪化している。終わりの見えない悪循環だ」との悲痛な声が上がっている。岸田派の有力幹部も、
「追加報告や修正報告の結果を改めて公表したところで、またぞろ点検漏れや申告ミスが露見することは目に見えている。国民の目には、言い訳の繰り返しとしか映らないだろう。もがけばもがくほど深みにハマッていく、アリ地獄状態だ」
そう言って現状を嘆くのだった。自民党関係者も憔悴した様子で、次のように語っている。
「岸田総理は外交手腕と経済対策で、難局を打開したいと考えています。ところが、安倍(晋三)元総理の国葬儀自体が政権不信の元凶となっていて、弔問外交で点数を稼ぐどころか、立ち上った不信の火に油を注ぎかねない状況。30兆円を超える規模の総合経済対策を打ち出したとしても、対世論効果は限定的で、不信を一掃することなどムリですよ。ハッキリ言って『旧統一教会に対して、宗教法人としての認証を取り消し、併せて解散命令も出す』くらいの大ナタを振り下ろさなければ、この手詰まり状態を打開することは不可能でしょう」
その気概、ありやなしや。トップの英断が求められるのである。