今季、5年連続30本塁打を放ちながらも、日本人シーズン最多本塁打56本を記録したヤクルト・村上宗隆に大差をつけられた、巨人・岡本和真。その原因はどこにあったのか。野球解説者の掛布雅之氏は10月11日、自身のYouTubeチャンネル〈掛布雅之の憧球【公式】〉で、次のように分析した。
「今年に関しては、あれだけ村上君ひとりが突っ走ってしまうと、気持ちの中で負けてしまったんだよね。これね、すっごく分かるのよ」
そして引き合いに出したのは、掛布氏自身の現役時代のエピソードだった。
「山本浩二さんとホームラン王争いしてた時に、浩二さんが『今年は俺、ダメだ』と。そして『お前だ。宇野も頑張ってるよな』とも言う。その時に『(宇野に対して)ホームラン王のタイトルを取る難しさみたいなものは、先輩であるお前がちゃんと示さなきゃダメだよ』って言われたの。浩二さん寂しそうだった」
84年、広島の山本浩二は33本にとどまり、中日・宇野勝と掛布氏が37本で本塁打王を分け合っている。
つまり岡本は、昨年と一昨年、2年連続本塁打王と打点王の2冠という成績を残しながら、今季は若い村上に抜き去られてしまった。84年の山本のように。
「プライドが結構、傷つけられたと思うんだよね。それも(今季不調の)原因のひとつだと思う」(掛布氏)
ちなみに掛布氏は、今年の春キャンプで岡本の右足のスタンスが昨年とは異なっていることに気付いており、
「前半はね、インコースの捌きがすごくよくなるんじゃないかと思って見てたんだけど、すごくよかったんだよね」
それがチーム状況や巨人の4番が背負う重圧などからバランスを崩したのではないか、と推察。
「もう1回、村上君と岡本君の激しいホームラン争いは見れるんじゃないかと思ってる」(掛布氏)
令和初の3冠王を脅かすべく、岡本のリベンジなるか。来季は見ものである。
(所でひ/ユーチューブライター)