椎名林檎が11月30日にアルバム「百薬の長」を発売するが、その限定版に付属する特典グッズが物議を醸している。音楽関係者が解説する。
「限定盤に付くのは、3種類のグッズ。そのひとつであるアクリル・カードケース『諸々券ケース』がヘルプマーク(上が十字、下がハート)の下のハートをリンゴに変えただけのデザインになっているのです。もうひとつのマスクとマスクケースのセット『夢語りマスク』にも、『諸々券ケース』と同様のデザインが入り、こちらは白地に十字とリンゴマークが赤でデザインされているものもある。赤十字マークとの類似が指摘されているんです」
当然ながら、これは許容範囲を超えたものとして、問題になったのだが、10月10日になってようやく、UNIVERSAL MUSIC STORE公式サイトがコメントを発表。とはいえ、「多くの皆さまから頂きましたご意見を踏まえ、弊社内で協議しております。改めてご案内させて頂きます」と、歯切れは悪い。
なぜここまで批判が殺到しているのか。東京都福祉保健局のサイトを見ると、このヘルプマークは〈義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、または妊娠初期の方など、外見からは分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるよう、作成したマーク〉とある。
「もし椎名林檎のファンがこのマークそっくりのグッズを身に付けてしまえば、その人が援助や配慮を必要としていると、勘違いされるのです」(前出・音楽関係者)
さらに赤十字マークは文字通り、戦争や紛争に巻き込まれた人々を救護するための施設や、救護院を保護するためのマーク。使用については「赤十字社と法律等に基づいて認められている組織」のみに限定されている。営利目的での使用となれば、問題が起きるのは明らかだ。芸能関係者も嘆息して、
「椎名林檎本人からはいまだコメントはなく、ダンマリを続けている。20年には新型コロナウイルスが感染拡大する中で、自身のバンド『東京事変』のライブを強行したことでも批判を浴びており、早々に対応しなければ、ますます波紋は大きく広がりそうです」
妙なイメージダウンは避けたいところ。はたして、どう収束させるのか──。
(小林洋三)