吉高由里子主演のNHK朝ドラ「花子とアン」は、仲間由紀恵の存在感もあいまって、前々作の「あまちゃん」や前作の「ごちそうさん」を上回る視聴率を獲得している。
これに比べ民放の春ドラマは、大作が並んだわりには15%超えも厳しいのが現状である。
そんなドラマ氷河期のひとつの原因に、あまりにも俳優が掛け持ち出演していることが指摘されている。たとえば「低視聴率キング」の異名をとるオダギリジョーは、ゴールデン帯の主演こそないが、深夜枠の「リバースエッジ 大川端探偵社」(テレビ東京)で主演。さらに月9の「極悪がんぼ」(フジテレビ)に「アリスの棘」(TBS)と、同時期に3つも出演しているのだ。
オダギリの場合は主演作以外の出演シーンは少ないが、香川照之の場合は「ルーズヴェルト・ゲーム」(TBS)と「MOZU」(TBS)の両方で準主演であるため視聴者もいささかとまどってしまう。
さらに江口洋介に至っては、大河ドラマの「軍師官兵衛」(NHK)で織田信長を演じ、直後の「ルーズヴェルト・ゲーム」で会社の専務を演じている。大河の放送終了からわずか15分後に、時代背景もキャラクターもまるで違う役を演じられては、感情移入も難しいはず。
昨年、40%を超える視聴率を記録した「半沢直樹」の夢をもう一度とスタートした「ルーズヴェルト~」だが、10%台の前半に低迷しているのは、香川と江口の“既視感”と無縁ではないだろう。