オフを迎えれば容赦なく襲ってくる戦力外通告の波──。
巨人・山口俊も10月25日、厳しい宣告を受けた。16年オフにDeNAからFA移籍したが、最多勝のタイトルを取った19年オフに、球団初のポスティングシステムでメジャー挑戦。だがメジャーでは使いものにならず、昨年6月に再び巨人に戻ってきた。今季の1軍登板は、わずか1試合に終わっている。
「まだ燃え尽きていないので」と現役続行を目指す山口はトライアウトを受けず、NPB球団からのオファーを待つという。
これに噛み付いたのは、野球解説者の高木豊氏だ。10月26日に自身のYouTubeチャンネル〈高木豊 Takagi Yutaka〉で、山口の姿勢を辛辣に批判。
「オファーを待つのか、それともトライアウトを受けるぐらいの気構えでいるのか、そういうところなんだよね。トライアウトを受ける準備をしつつ、他から声がかかるんだったら行くと。だけど、声が掛からなかったらトライアウトまで受けて、どこかの返事を待つとか。そのくらいの姿勢じゃないと、今、どこの球団も受け入れてくれないと思うよ」
なにしろ山口には、素行に対する悪評がくすぶっている。巨人移籍1年目の17年7月、都内の飲食店で泥酔し、負傷。酔ったまま訪れた病院で扉を壊す大暴れっぷりで、男性警備員を負傷させている。シーズン終了まで出場停止処分を受け、罰金と減俸は総額1億円にのぼった。
「本人の甘さもそうですが、球団が甘やかしてきたがゆえに、勘違いしたまま育ったとも…」(スポーツ紙デスク)
かつてDeNAでコーチも務めた高木氏の、手厳しい言は続く。
「声がかかるまで待ってるっていうテイでは、俺はいけないと思う。『声がかからなかったどうするの』『いや、引退します』って。どっちみち金はあるから引退してもいいんだろ、みたいな『ボクから頭下げて雇ってもらおうとは思ってません』じゃあさ、どこ行ったって無理だし」
山口はこの諫言をどう受け止めるのか。高木氏は再度言う。
「トライアウトを受けるくらいの低姿勢じゃないと、ほかに行ってもダメだよ」
山口は古巣DeNAへの移籍を熱望し、巨人が水面下でトレード交渉を行ったものの、DeNAは拒否。他にもトレードを打診した球団はあったが、どこも話にならなかったという。
今、山口に必要なのは、技術や体力よりも、根本的な態度の改新なのだろう。
(所ひで/ユーチューブライター)