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サンスポ水戸正晴の「絶対万券」論「レインカルナティオが混戦に断」

 3週続いたGI戦だが、今週は谷間の状態で小休止。関東のメインとして行われるのはアルゼンチン共和国杯、関西はチャンピオンズCの前哨戦であるみやこSだ。

 アルゼンチン共和国杯は、伝統ある春の目黒記念と同じく、東京芝2500メートルのハンデ戦。馬券的にもおもしろいが、ここを勝って、その勢いでジャパンCを制した08年のスクリーンヒーロー、16年の覇者シュヴァルグランはJC3着、昨年の勝ち馬オーソリティもJCで2着に好走するなど、レースとしても魅力たっぷりで興味が尽きない、注目すべき重賞である。

 一線級の馬は見られないものの、中長距離を得意とするクセ者がズラリと顔をそろえる。しかも今年はフルゲート(18頭)が見込まれており、どう転ぶか、予断は許さない。

 まず、過去のデータをひもといてみよう。02年に馬単が導入されて以降、これまでの20年間、その馬単での万馬券は5回(馬連は2回)。ハンデ戦のわりには穏やかそうにも見えるが、この間、1番人気馬は5勝(2着4回)、2番人気馬も同じく5勝(2着4回)。1、2番人気馬によるワンツー決着は2回のみ。

 つまり、半数は1、2番人気ともに敗れる結果となっており、やはり簡単に人気どおり収まりづらい重賞なのである。

 ただ、年齢的には他の重賞と同様、ノビシロある4歳馬が強く、過去20年で10勝、2着8回と最も連に絡んでいる。続くのが充実著しい5歳馬の4勝、2着7回。6歳馬も4勝で2着が3回。残念ながら7歳以上の古豪で連対した馬はおらず、高齢馬は実績のみで高い評価を与えてはいけないと言えそうだ。

 肝心のハンデは、55キロ~57キロ組が圧倒的だ。55キロは1勝(2着6回)、56キロが8勝(2着6回)、57キロは3勝(2着2回)で、52キロ以下の軽量組の連対がきわめて少ないことは頭に入れておいていいだろう。

 というわけで、穴党として最も期待を寄せたいのはレインカルナティオだ。3勝クラスを勝ち上がったばかりだが、ここにきて地力強化。本格化間近な5歳馬で、まさに狙い頃である。確かに、初めてオープン馬を相手にどこまでやれるか、不安はなくもない。

 しかし、オープンで活躍したテトラドラクマの弟であり、素質は確か。姉はGIIIクイーンCを制したようにマイラーのイメージが強かったが、レインカルナティオは、折り合い面に何の不安もないばかりか、父親ルーラーシップに似て、距離の壁はないものとみていい。

 前走、中京芝2200メートルで行われたムーンライトHはクビ差の勝利だったが、追えばまだまだ伸びた印象があり、むしろ中長距離の馬と言ってよさそう。

 シーキングザパール(NHKマイルC)など近親、一族に活躍馬が多くいる血筋で、ハンデは恐らく54キロまで。良馬場なら混戦に断を下してくれるものと期待したい。

 一方、阪神で行われるみやこSも、ここにきてのしてきた馬が多く、本番チャンピオンズCを見据えて、なかなか見応えある一戦と言ってよさそうだ。

 中でも期待したいのは、人気の一角ブリッツファングである。まだ3歳馬で成績に不安定なところもあり、ここ2戦(ジャパンダートダービー、白山大賞典)はともに1番人気を背負って【3】【5】着と人気を裏切ったが、今回は地方交流から中央に戻っての一戦。ここを目標に不安なく調整できており、中間の稽古内容も実によかった。

 ここは1勝クラスを勝ち上がった時と同じ舞台。まだ成長途上であることを思えば、十分やれていい。

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